検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:233,068 hit

3 ページ16

「おい、起きれるか?」
「ん…っ…ケホッ」
「とりあえずそれ食って、薬飲んで寝とけよ」
「……勇吾…おかゆ作ってくれたの…?」
「あ?……あぁ」



味の保証はしないからなと言いながら渡すと、圭吾はジッと茶碗を見つめ、ゆっくりと口に含んだ。



「……」
「……ふふ…、おいし…」
「っ…、そうかよ…」



すごく嬉しそうに笑うから、気づけば頭をくしゃっと撫でていた。



「……勇吾?」
「っ…あ、いや…」
「…ね、もっと…して」
「え?」
「頭痛くて…、それ…気持ちいいから…もっと撫でてほしい」



ダメかな…と殊勝な顔でそんな事を言うもんだから、ちゃんと薬飲んだらしてやると言ってしまった。



「……っ」
「……」
「あ、まだ残って…」
「食えないんだろ?
無理すんな、吐いても知らねぇぞ」
「……ん、ありがと…。ごちそうさま」
「…ほら、飲めよ」



息苦しそうにしながらも薬をきちんと飲み込み、力尽きたようにベッドに沈み込む双子の弟に、慣れない手つきで汗で張り付いている前髪をそっと梳いて、ぎこちなく撫で始める。

ふ…と和らぐ圭吾の表情に、早く治せと呟いた。
嬉しそうに目を細められたから、宏光が心配するだろと素っ気なく言ってみた。



「ふふ…、心配してくれて…ありがと」
「っ…だから、俺じゃなくて宏光が…」
「へへ…」
「……っ、あーもう、さっさと寝ろ!」



どれだけぶっきら棒に言ったところで、鏡のような存在の片割れには何の誤魔化しも通用しない。
早く治すねと微笑んで、また辛そうに咳をしてからようやく寝てくれた。

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (325 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
756人がお気に入り
設定タグ:藤北 , キスマイ , ミラー・ツインズ   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。