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「……っ……ぅっ……うぁ…」
「…圭吾?」
一人にするのは忍びなくて、マスターに休みの許可をもらい圭吾の部屋で様子を見ながら過ごしていると、苦しそうな声がした。
「どうした?辛いか?」
「はっ……ぁっ…やだ…やめ…っ」
…寝言か?魘されているのか…。
一向に起きる気配はないが呼吸がどんどん不規則になっていく様子に肩に手を掛けて起こす事にした。
「おい圭吾、起きろっ」
「ぁっ……や…勇吾……勇吾…っ」
俺の夢を見ているのか…?
「起きろって、圭吾!」
「っ…ごめ…勇吾……」
「……?」
「助けてやれなくて……黙って逃げて…ごめん…っ」
キツく閉じている目尻から零れ落ちる涙を拭い、玉のように浮かぶ汗を冷えたタオルで拭った。
「ごめん…ほんとにごめんね…っ…ゆうご…っ」
尚も魘されている弟の頭を、自分でもらしくないと思うほど優しく撫で続けた。
「……馬鹿だなぁ、変な夢なんかに囚われやがって」
助けてやれなかった?
黙って逃げた?
一体どこの世界の話をしてやがんだこの馬鹿は…
「お前は……助けてくれたじゃないか…」
20年前…公園で三人組の男たちに車で連れ去られた時お前は泣きながら必死に車を追ってきてくれたじゃないか。
お前が車のナンバーを警察に伝えてくれたおかげで、俺は二日後にちゃんと解放されたんだ。
……あの場にいた誘拐犯の義理の息子だった、宏光と一緒に。
「お前は俺を…、俺たちを助けてくれたよ…圭吾」
宏光と一緒に解放された時、圭吾は泣きながら俺を抱きしめてくれた。
ごめんね、怖い思いさせてごめんね、二日も経っちゃってごめんね…って、声が枯れるまで泣きながら謝ってくれただろ。
お前は何も悪くないのに…馬鹿みたいに必死に。
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絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時