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俺は家が嫌いだった。
みんな、優等生の圭吾だけを好きなんだと思っていた。
俺なんかいなくたっていい…、そう思っていた。
だから圭吾の事だって、そんなに好きじゃなかった。
…だけど、あの日から変わった。
10年培った捻くれた性格は直ることは無かったが、俺の中であの日から圭吾は大切な家族として確かに認識されたんだ。
それから宏光の事情を知って、宏光の事も圭吾は抱きしめた。
辛かったねって、泣いてもいいんだよって優しい腕で抱きしめた。
三人で抱きしめ合いながら泣いたあの日から、俺たちは確かに…お互いが特別な存在になったんだ──。
「……おい起きろ馬鹿野郎」
バシッと強めに頭を叩くと、痛ったと悲鳴をあげて圭吾は起き上がった。
荒い呼吸が落ち着いた頃、俺を見つめてポカンとした表情を浮かべた。
「あ…れ…、勇吾…?」
「おー、随分と魘されてたな。
縁起の悪い夢でも見てたか?」
わざと茶化すように口の端を上げて揶揄うと、夢…と呟いて、圭吾は安心したように息を大きく吐き出した。
「あぁ……すっげー嫌な夢だったよ」
「夢でよかったなぁ」
「…うん、ほんとに……夢でよかった」
俺を見ながら慈しむように微笑む圭吾に、目を逸らしてほらと新しいパジャマを渡した。
「お前汗だくだろ、身体拭いてやるから着替えろ」
「え…どしたの、なんか勇吾優しい…」
「ばーか、俺はいつだって優しいだろうが」
「…ふはっ、…ん、そーだな」
「……早くしろ」
身体を拭いてやり新しいパジャマに着替えたのを見届け、冷えピタを貼って再び寝かしつけた後は特に魘される事もなく懇々と眠っていた。
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絢音(プロフ) - みぃちゃんさん» あら、どなたかと思えば…!宏光くんの双子に対する溢れんばかりの愛情を感じ取ってもらえてとても嬉しく思います♪えへへ…私も、双子を幸せにしたい一心で連載やってますから…!みぃちゃん、いつもいつもありがとうね(*´艸`*) (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 大好きな宏光くんに誕生日を触れてもらえるのを今か今かとそわそわする双子は何とも愛らしいですね…!圭吾は宏光に恋愛感情は抱いていないけど、大好きで大好きで仕方ないんです(^^)ぎゅってして…って、躊躇いがちにおねだりする圭吾たんを私が抱きしめたくなります! (2019年6月30日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - 太ちゃん誕生日おめでとう♪双子ちゃんと宏光にはいつもほっこりさせて頂いてます(*^^*)勇吾に愛を伝える所、圭吾をぎゅっとしてあげる所にはホロっとしました(´;ω;`)絢音ちゃんの二人に対する愛も感じがしました♪ここでは初コメ!少し緊張しました( ̄▽ ̄;) (2019年6月26日 9時) (レス) id: 8286bf0fde (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ♪ヽ(´▽`)/こちらでもはっぴぃばーすでぃ(≧▽≦)圭吾のしてほことも聞いたげるシーンのそれぞれの表情に感動しちゃいました(´;ω;`)物凄く癒されております…( 〃▽〃)最初にふたりがソワソワしてるとこも可愛かったです(*/∀\*) (2019年6月26日 6時) (レス) id: 38544530dd (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 可愛い生き物がベッドにいたら無条件に癒されますね!ふふ、小ちゃいのにおっきい…。そう、みっくんはおっきいのです!笑 (2019年6月25日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年5月26日 0時