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薬が効いてきたのかだんだんと頭がぼーっとしてくる。

鼻の通りは良くなって口を閉じられるようにはなったけど、相変わらず身体の怠さは抜けきらなくてふわふわした感覚に陥っている。
藤ヶ谷は心配そうに俺の顔を覗き込み、額にそっと手を当てた。



「…ちょっと熱出てきてるな」
「ん…微熱だろ…、いつものこと…」
「やっぱり薬替えようよ…逆に身体に悪いって」
「これが…一番早く症状軽くなるから…」
「でもちょっと疲れ溜めてるとすぐ副作用で熱出るじゃん」
「鼻水ダラダラでいるよりマシだもん…」



甘えるように手を伸ばすと藤ヶ谷は慣れた手つきで俺を持ち上げベッドまで運んでくれた。
もうこうなるとゆっくり休めと身体が訴えているのだろうと結論付けて早く寝ろと言い聞かせられる。

仕事の時は気合で乗り切るけど、家にいる時はリラックスできているのか怠さが酷いから、こんな早くからなんて寝られないと思いつつも結局毎回知らぬうちに朝を迎えることになる。



「…藤ヶ谷ー」
「ん?」



何と目を細め手が頬に触れる。
代わってあげたいなと困ったように呟いて優しく包み込んでくれる。

あぁ…やっぱり俺は……



「春…、好きだなぁ」
「……何で、意味分かんねぇ」
「だってさ、藤ヶ谷が俺にすげぇ甘くなるから」
「…年中甘やかしてほしいわけ?」
「うん」
「それは…なんか意外だったかも」
「恋人には無性に甘えたくなるんですー」
「そういうもんなのか…」
「んふふ…、でも藤ヶ谷はそのままでいて?
無理に気乗りしないことして疲れて嫌になられたら困るから」
「…そんな簡単に、嫌になったりしないよ?」
「うん」



真剣な眼差しで伝えてくれる藤ヶ谷の顔をぼんやりと眺めていると、去年のあの日を思い出した。
あの日も…桜が咲いていたんだ。

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設定タグ:藤北 , キスマイ   
作品ジャンル:タレント
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絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» ありがとうございました!ツンデレ輔ちゃん愛おしいです…!後書きは語り過ぎました〜。次作はねー、泣いちゃうような話です( ̄▽ ̄)私の得意ジャンル攻めてます♪お楽しみに〜 (2019年3月28日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - したwwわぁ‥次作も又気になり過ぎて待ち遠しい‥可哀想な太輔さん‥どーゆーことなんだろう??ドキドキ‥楽しみにしています♪ (2019年3月26日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 完結おめでとうございます。小さく笑って充分すぎる・・ここキュンっ!!です‥そしてツンとデレの使い分けが下手くそ・・可愛いじゃないですかぁぁ(´;ω;`)ウッ…最後の一文もとっても好き・・あとがきも(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪なるほど‥と頷きま (2019年3月26日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» みっくんの方が太輔さん好き好きって描写寄りでしたが、実は太輔さんの方がものすごく愛しちゃってるんだよと思うとさらに萌えが深まります(笑)みっくんの答えに太輔さんはどう出ますかね?わぁ、ありがとうございます…! (2019年3月26日 17時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ぶわゎぁぁって私に降り積もります。私も幸せ(〃▽〃)・・そして次なる太輔さんの質問に胸がぎゅぅぅ・・ってなります。みっくんの答え・・太輔さんにどう届くのか‥楽しみです(/ω\)すごくすごく素敵なお話ですね(´;ω;`) (2019年3月25日 21時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢音 | 作成日時:2019年3月23日 8時

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