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「ふふ…」
スマホも毎晩のようにメッセージが来るようになり、日に何度かやり取りをするようになった。
「ぁ…」
そしておやすみの後に必ず添えられる“ 愛してる ”の言葉。
「……おやすみ、藤ヶ谷」
それに俺が何かを返すことはなかったが、いつしか一日の終わりにその文字を目にするのが当たり前になっていった。
そんな日常がしばらく続いたとある日の二人きりの楽屋、帰り支度をしている藤ヶ谷をぼんやりと眺めながら思わずぽろっと口から溢れた。
「お前さ、俺とキスとかできんの?」
やべっと思った瞬間ガタガタッと音がして自分の発言を慌てて取り消そうとすると、藤ヶ谷がものすごい勢いで目の前にやってきた。
「北山…」
「わぁっ、ストップ待て待て間違えた俺が悪かった」
低い声で唸るように呼ばれ、謝りながら慌てて距離を取る。
すると呆れたような溜め息を吐かれ、藤ヶ谷は残念と明るく笑った。
「そんな困んないでよ。無理矢理したりしないよ」
そう…、藤ヶ谷から毎日愛してると送られてくるけれどそれに対して俺に返事を求めたことは一度もない。
直接言ってくれることも多いけど、その度に俺はいつも口が固まってしまって、それを優しい目で見つめられるばかりだ。
受け入れることも拒絶することもできない俺に、藤ヶ谷は何も言わない。
花に水を毎日やるように与えられる藤ヶ谷の気持ちに、俺の藤ヶ谷に対する想いは少しずつ募っている。
だからこそ俺自身も日に日にどうしたらいいのか分からなくなってくる。
その手を取る自信も、突き放す勇気も、俺にはない。
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絢音(プロフ) - 蜜柑さん» わーっ、蜜柑さんが来てくれたっ♪ふふふ、堪能してもらえてますかね(*゚▽゚*)?まだ折り返しにも満たないのでゆっくりお付き合い下さると嬉しいです(^^)♪こちらこそいつもありがとうございます!! (2021年4月13日 19時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 絢音さーん!やっと読みに来れました…いや、まだ読み始めたとこなんですけど(^◇^;)初っ端からどきどき…流行る想いで先にコメ欄来ちゃいました笑じっくり堪能しまーす!!いつも、ありがとうございます♪ (2021年4月7日 8時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん♪こんばんは(^^)本作を見つけて下さりありがとうございます。ゆっくりと変化していく二人を最後まで見守って下さると嬉しいです(^^)移行先でも楽しんでもらえていたらとても嬉しく思います。 (2021年4月2日 21時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - こんにちは。幸せに包まれて読んでいるこちらがとても優しい気持ちになりました。少しづつ好きが増えていく心の変化が凄く良くて。続きにいってまいります。 (2021年4月2日 12時) (レス) id: 564c478141 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 宏光って今夜呼ばれたくなって合鍵使って会いに行くみったん最強に推せますね♪お風呂っぴ♪今度は帰らないと分かってるからちゃんとのんびり入るたいぴもポイントです(笑)本作のみったんかわいすぎかと思いつつ初々しい描写はかわいさが止まらないです〜笑 (2021年3月14日 17時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2021年2月23日 17時