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「しかしまさか、歩いて行ける距離のとこに住んでたなんてな」
「北山の住んでる場所知ったとき、
もしかしてって思ったけどこんな近くだったのはほんとびっくりしたなぁ」
俺らメンバー皆仲が良いけど、家に遊びに行ったことはなくて、大体あの辺りに住んでいるんだろうなくらいにしか知らない。
だからあの日、藤ヶ谷がいきなりやって来たときもどうして俺の家を知っていたんだろうって実は不思議だった。
以前マネージャーに引っ越した住所を教えたときに、俺とすごく近いとマンション名と部屋番号まで聞いていたらしい。
「それにしても、一度聞いただけなのよく覚えてたよな」
「うん、忘れないようにすぐメモしたしね」
「え、こわ…」
「ちょっと、引くの禁止ね?」
「ふはっ」
程よくアルコールの回るなか、心地良いペースで人通りのいない夜道を歩く。
まるで世界に二人きりになったみたいだと、真っ暗な夜空を見上げ思った。
もしも俺らしかいない世界だったら、俺は藤ヶ谷の手を掴んでいるのだろうか。
この手を取るには、あまりにも…人の目が多すぎる。
「ふふ、もう雪は止んでるよ」
俺はこんなにもお前のことで悩んでいるというのに、そんな見当違いな事を言う。
キングだなんだ言われても、素のこいつなんてこんなものだ。
「ちげーよ」
「じゃあ何?」
「……さみーなって」
「だからタクシー呼ぼうかって聞いたのに」
素直にお前のことを考えていましたと告げるには、まだまだアルコールが足りなかった。
「歩きたくても寒いものは寒いんだからしょーがねぇだろ」
「まぁそうだね」
話す度に白い息が宙を舞う。
子どもの頃はそれが面白くてよくハーッとわざと大きく息を吐き出して遊んでいたっけ。
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絢音(プロフ) - 蜜柑さん» わーっ、蜜柑さんが来てくれたっ♪ふふふ、堪能してもらえてますかね(*゚▽゚*)?まだ折り返しにも満たないのでゆっくりお付き合い下さると嬉しいです(^^)♪こちらこそいつもありがとうございます!! (2021年4月13日 19時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 絢音さーん!やっと読みに来れました…いや、まだ読み始めたとこなんですけど(^◇^;)初っ端からどきどき…流行る想いで先にコメ欄来ちゃいました笑じっくり堪能しまーす!!いつも、ありがとうございます♪ (2021年4月7日 8時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん♪こんばんは(^^)本作を見つけて下さりありがとうございます。ゆっくりと変化していく二人を最後まで見守って下さると嬉しいです(^^)移行先でも楽しんでもらえていたらとても嬉しく思います。 (2021年4月2日 21時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - こんにちは。幸せに包まれて読んでいるこちらがとても優しい気持ちになりました。少しづつ好きが増えていく心の変化が凄く良くて。続きにいってまいります。 (2021年4月2日 12時) (レス) id: 564c478141 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 宏光って今夜呼ばれたくなって合鍵使って会いに行くみったん最強に推せますね♪お風呂っぴ♪今度は帰らないと分かってるからちゃんとのんびり入るたいぴもポイントです(笑)本作のみったんかわいすぎかと思いつつ初々しい描写はかわいさが止まらないです〜笑 (2021年3月14日 17時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2021年2月23日 17時