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「藤ヶ谷?…もしかして、ダメ?」
おずおずと訊ねてくる様子に、あまりの幸せに放心して未だ返事をしていないことに気づいた。
「やっ、全然ダメじゃ無い!
むしろ俺がプレゼント貰う気分になっちゃうよ」
「そうなの?んふふ、…んじゃー頑張らないとなぁ」
「がっ…」
頑張るなんてひときわ妄想を掻き立てられる言葉が飛び交い、一瞬であられもない姿の北山が脳裏に浮かんだ。
煩悩よ今は消し去れと頭をブンブン横に振ると、北山はクスクスと笑った。
「なぁにしてんの?」
「う…、何でもないです」
少し小さな目線からあざとく顔を覗き込んでくるのは計算され尽くしているものなのではないかと疑ってしまうくらいに心奪われる。
このまま顔を近づけたい欲求を抑え込むと、北山がゆっくりと距離を詰めするりと腰を撫でてきた。
「じゃあ…、楽しみにしてるから」
そう言ってクスッと笑みを浮かべ、今度こそ立ち去っていく背中を見送った。
「今のって…」
俺の腰使いを期待してるってことだよな…。
北山ってもしかして、とんでもなくそっちの欲が強いんだろうか。
どちらかと言えばオープンに下ネタを言うのは俺の方で、北山はその手の話題になると一歩引いて大人しくなってしまう。
自分でもあまりそういった類いの話は得意では無いと公言していたが、それは表向きのイメージ作りだったということか。
まぁ、考えてみれば北山だっていい年した男な訳で、人並みにそういった欲求があるのは当たり前…。
「…よし、期待に応えないとな」
そうと決まれば早速準備をしなければ…
男との経験なんてないから余計に念入りな事前準備をしておかなければいけない。
それもこれも全て、17日に北山を身体も含めてきちんと自分のものにするため…
ニヤける顔をそのままに、ようやく誕生日当日の約束をこぎつけられたことをわたにLINEで報告した。
この時の俺は北山がとんでもない思い違いをしていることに、少しも気づく余地が無かった──…
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絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 本編のみったんはやや不安要素を残して終えましたが、アフターストーリーの番外編ではそんな杞憂も消えたいぴにすっかり心預けているみったんを描けていればなぁと思う次第であります(*゚▽゚*) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶさん♪たいぴの勘違いからコメディ風に進み、そして甘々シーンを経てより一層幸せな二人にできて私も嬉しく思います( ̄∀ ̄)♪Yの証人も楽しんでもらえてよかった〜♪ (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ユキスケさん» ユキスケさん、お久しぶりです(^^)♪私まで優しくなれそう、そのお言葉に本作を創って良かったなと心から思えました…!Yの証人もありがとうございます(笑)第三者目線はなかなか新鮮で楽しく書けました♪ほっこり甘々な二人にできて良かったです(*゚▽゚*) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ピンクピーチさん» ピンクピーチさん、いつもありがとうございます♪今回は完全片想いから始まるという珍しい入りでしたが、甘々な着地にもっていけてホッとしております( ̄∀ ̄)横尾さんエピも楽しみながら追加しましたが、楽しんでもらえて良かったです(^^) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - *コウ*さん» コウさん、初めまして(^^)序盤からもどかしい二人を見守って下さりありがとうございました!今回かわいめなきたーまさんを書けて私も大満足です(*゚▽゚*)また別の作品でお会いできる事を楽しみにしています♪ (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年12月21日 13時