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そうして気づけば17日当日。
本来なら前日から一緒に過ごして日付が変わる瞬間を隣で迎えたかったけれど、ありがたいことに俺は今日も明日も舞台…
北山も連日のように稽古らしく、それでも夜に家までわざわざ来てくれた。
俺が北山の家に行くよと言ったけど、お前は本番中なんだから自分の家でリラックスした方が良いからって、甘やかすような微笑みを添えて言ってくれた。
そのお言葉に甘えて、北山が家に来て一時間と少しが経過したところ…。
細やかな料理でもてなして誕生日おめでとうと伝え、プレゼントは迷った結果北山の好みそうな腕時計をプレゼントした。
プレゼントは俺でいいなんて嬉しいことを言ってくれてはいたけれど、さすがに何にも物を贈らないという選択肢は無かった。
ありがとうと嬉しそうに腕時計を眺め、すぐに自らの腕に填めて似合うと問いかけてくる笑顔は今すぐにでも抱きしめたくなった。
そして食後の紅茶を飲みながらソファーでまったりくつろぎタイム…、すっかり気を許した雰囲気で脚を伸ばす北山を飽きること無く見つめるという至福な時間が流れていた。
「ふふ…」
この家に、北山がいる。
それだけのことが随分と長いこと実現しなかった片想い期間にようやく終わりを告げることができた奇跡に改めて感謝していると、隣にいる北山がん?と首を傾げた。
「いや、北山がここにいるってすごく不思議な気分だなって」
「あー、…んふ、そうだな」
「なんか…嬉し…」
噛み締めるように呟くと、北山は目を細めた。
「俺さ、お前のそういうとこ好きなんだよな」
「え?」
「感情素直に伝えてくれるとこ。俺はあんまし得意じゃ無いからさ」
それは北山がたまに口にする言葉だ。
どうにも照れが先行してしまい、思いの全てを伝えることができていないと。
俺から言わせてみればそんなことは気にする必要なんてないくらい北山は言葉だけじゃなくて表情でも態度でもきちんと伝えてくれているけれど、本人がそれだけ気にするって事は照れ屋なところを取っ払えばもっともっとたくさんの感情を向けてくれるということなのか。
…やばい、それはちょっと心臓保たないかも。
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絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 本編のみったんはやや不安要素を残して終えましたが、アフターストーリーの番外編ではそんな杞憂も消えたいぴにすっかり心預けているみったんを描けていればなぁと思う次第であります(*゚▽゚*) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶさん♪たいぴの勘違いからコメディ風に進み、そして甘々シーンを経てより一層幸せな二人にできて私も嬉しく思います( ̄∀ ̄)♪Yの証人も楽しんでもらえてよかった〜♪ (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ユキスケさん» ユキスケさん、お久しぶりです(^^)♪私まで優しくなれそう、そのお言葉に本作を創って良かったなと心から思えました…!Yの証人もありがとうございます(笑)第三者目線はなかなか新鮮で楽しく書けました♪ほっこり甘々な二人にできて良かったです(*゚▽゚*) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ピンクピーチさん» ピンクピーチさん、いつもありがとうございます♪今回は完全片想いから始まるという珍しい入りでしたが、甘々な着地にもっていけてホッとしております( ̄∀ ̄)横尾さんエピも楽しみながら追加しましたが、楽しんでもらえて良かったです(^^) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - *コウ*さん» コウさん、初めまして(^^)序盤からもどかしい二人を見守って下さりありがとうございました!今回かわいめなきたーまさんを書けて私も大満足です(*゚▽゚*)また別の作品でお会いできる事を楽しみにしています♪ (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年12月21日 13時