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「…っ…あれ…?」
耳元で鳴ったスマホのアラーム音に目を開けると、そこは意識朦朧とした中で向かっていた休憩室だった。
手探りでアラームを止め、果たして自分はこの時刻にアラームを設定する余力が残っていただろうかと首を傾げる。
ゆっくりと身体を起こして、いつちゃんと布団に包むことができただろうかとこれまた疑問に思う。
「あー…やべ、全然憶えてねぇ…」
あまりに睡魔が強すぎて、自分のターンを終えてからここに来るまでの記憶が酷く朧気になっていた。
まさか瞬間移動などできないからきちんと自分の足でここまでやってきたのは確かなのだろうが…
「んー…っ」
座ったままの状態で手を真っ直ぐ上げて伸びを一つすると、肩と背中がバキッと音を鳴らした。
さすがにふかふかの布団って訳にいかないから、身体が凝ってしまっている。
でもほんの少しでもきちんと眠れたのが功を奏したのか、悲鳴を上げたくなるような疲労感はほとんど取れていた。
やっぱりどんなときでも人間、睡眠が大事なのだ。
「うしっ」
気合いを入れて立ち上がり、洗面所で冷たい水でざぶざぶと顔を洗って完璧に目を覚ます。もう大丈夫、最後までやりきれる。
なぜだか根拠のない自信に満ち溢れていた。
ブースに戻る前に喉を潤しておこうと足は自販機へ向かっていた。
何を飲もうか…、水はまぁマストとしてもうひとつ。
珈琲…いや、なんか少し甘い系もいいかも。ミルクティーとか?
普段なら選択しないような飲料を欲しているあたり、やはり完全に回復しているわけではないのかと苦笑しながら角を曲がると、ちょうど自販機の横のベンチに相棒が座っていた。
「お、お疲れ」
「っ、……あぁ」
よ、と片手を上げると藤ヶ谷はなぜか不自然に肩をビクつかせ、俺の様子を窺っているように感じた。
それも一瞬のことですぐに視線は逸れ、買ったばかりであろうペットボトルを口つけていた。
「あ…」
「…何?」
「あ、いや。何でも」
まさしく飲みたいとぼんやり思っていた銘柄を手にしていたものだから自然と反応してしまった。
頬が緩んでいく感覚は自分でも分かったし、それを見て藤ヶ谷が怪訝そうに眉間に皺を寄せた。
「…何ニヤニヤして」
「んー?別にぃ」
「変な北山」
ミルクティーの気分になっていたけれど、何となく同じものを買うのが照れくさくて自分の指はその隣のカフェオレを押していた。
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絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» LINDOR藤北ちゃん♪愛でてくれてありがとーございました!そしてホワイトデーも妄想頑張ったけれど…お蔵入りに( ̄∀ ̄)新作投稿は今日無いけど、お返事まだだったので現れました(*゚▽゚*)またネタが降りてきた時に…♪ (2021年4月2日 22時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - LINDORふじきたちゃん( *´艸`)くーーーっ!!!可愛いですねっみったん!!ニカが良い働きしてるのにも萌え萌えしてます(o^―^o)ニコ たいぴの視線にお手手小さく振る姿が愛おしいです!コレ・・ホワイトデーも見たいです(おねだりー♪) (2021年2月15日 20時) (レス) id: 93fcba9685 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - 蜜柑さん» わー蜜柑さんっ!蜜柑さんだ〜♪遊びに来てくれて嬉しいです(о´∀`о)あのコトの真相を太輔さんに突撃インタビューしたいものです(*゚▽゚*)笑。こちらの更新次回はいつになるやらって感じですが(笑)またひょっこり更新した際はぜひぜひお越し下さい♪♪ (2021年2月4日 19時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶさん♪いやあの呟きはマジで衝撃でしたよね…!私は普段呼びがポロッと出てしまったを全力で推していきますよ(*゚▽゚*)♪あれは北藤脳内爆発してましたが、藤北でも入れたいなぁと思い無理やりきたーまさんにかわいくなってもらいました(^^) (2021年2月4日 19時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 絢音さん((*゚∀゚))お久しぶりです!コメ残すのも絢音さんでお久しぶりです笑キスどきのみつ呼び言いかけ事件簿…久しぶりのきゅんに癒されました…本当、あの事件の裏側出してほしいです!!また、楽しみにしてます♪ (2021年2月4日 9時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年12月11日 22時