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「起きた?」
「ん…ごめん、寝てたわ」
「ふふ、俺もキリのいいところまで読めたから平気」
藤ヶ谷は栞を読みかけの本に通して閉じて、まだぼんやりとしている俺の目の前にしゃがんで顔を覗き込んできた。
「疲れてる顔してる…、大丈夫か?」
「こんくらいよゆー」
「嘘ばっか」
「…へへ、でも平気。ちょっと寝たらスッキリした」
「そっか」
心配そうな顔を向けられて、手が遠慮がちに伸びてきて髪に触れられた。
「…ふじがや?」
「……綺麗な金色」
「んふ、でも染めたてに比べたらだいぶ落ちてきたから…また染めなきゃ」
優しい手つきにまた瞼が重くなっていく。
寝ないでよと釘を刺されながらもまた意識は深いところへ沈んでいきそうで、いい加減帰らないとと手探りで藤ヶ谷の手を掴んだ。
「っ…、…北山?」
「……」
「……ねぇ、さっき言ったこと…もう忘れた?」
藤ヶ谷の声が、震えているような気がした。
どうして?
そう思うのに、あんまりに眠たすぎて確かめることができない。
「……知らないから…」
影がフッと降りてきて、唇が何か温かなものに包まれた。
「っ…ん…」
それがキスと呼ぶものだと気づくのに時間がかかるほど、それはとても優しくて…心地いいものだった…。
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絢音(プロフ) - みーちゃんさん» みーちゃん♪この度は良縁に恵まれ、直接生の感想を頂くという尊い時間をありがとうございました!いやはやしかし生談義は良いですなぁ〜(*゚▽゚*)これからも素敵な藤北お届けできるように妄想に励みます←笑。 (2019年10月27日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - もえさん» もえさん♪たいぴの胸にお顔ぐりぐりみったん、会員向けプレミアム雑誌(空想)に載せてもらいたいですよねぇー!それだけで我々は生きていけますね(^^)2人のもだもだした恋愛の行く末を見届けて下さりありがとうございました!番外編も頑張ります! (2019年10月27日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶさん♪読み返しのところの追描写に納得してくれてホッ…。気持ちを自覚してからのみったんはかわいいの宝庫でしたね!笑。番外編も引き続き楽しんでもらえるように執筆中でございます♪いつもありがとうございます! (2019年10月27日 11時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ここさん» ここさん♪確かに、自分を北山さんにと太輔さんにと置き換えてみても双方とお付き合いしたくなるような魅力が詰まっていますよね(^^)そんな素敵な2人が無事にくっ付いて作者もホッとしているところです。番外編はひたすらに甘々いちゃいちゃさせたいと思いつつ…笑 (2019年10月27日 10時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ちぐさん» ちぐさん♪ようやくみっくんの心を手に入れた太輔さんはこれからいっぱい幸せな気持ちで満たされることでしょう!次は身体も…(〃ω〃)でもその描写番外編に入るかな…?ありがとうございました! (2019年10月27日 10時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年8月10日 23時