俺とお前のHUG&WALK

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「ふ…ぅっ……きた…ま…っ」
「うん…」
「ひ…っ…うぅ…きたやま…ぁ」
「ん…、大丈夫…大丈夫だよ…」



泣きながら名前を呼ぶと、優しいトーンで返してくれる。
呼吸が不規則になって苦しくなると宥めるように摩ってくれる。



…ステージ上でも、そうしてくれていたよね。



外周を歩いている時、足を動かすのさえ辛くて…どうしようって焦りから笑顔でいれなくなってしまった瞬間があって…、ふとセンターステージを見たら心配そうに俺を見ているわたと目があった。

北山がいない事に気付いてどこ…とファンの子に目を向けながら探すと、俺と同じ速度でシンメトリー上を歩いてくれていた。

その時だけじゃない…色んな瞬間、北山の気遣うような視線を感じて気持ちが軽くなっていくのが分かった。




目が合うことは無かったけど、気にかけてくれている事に気付けた…。

だから俺、最後まで倒れずに済んだんだよ。




たくさんのごめんねとありがとうを言いたいのに…、涙に邪魔されて何もかもを伝えられない…
ただ、北山の優しい温もりと声に助けられて…、今まで我慢していた分たくさん泣いた。








泣くだけ泣いたら少し気分が落ち着いて、ゆっくりと顔を離して涙でぐちゃぐちゃのまま北山を見つめた。



「…っ」
「ん…？」
「……」
「んふふ、…かわいい」



きたやまに、かわいいねって言われるのすき。



俺がカッコつけずに素のままを見せられるのって…、北山の前でだけだから。
メンバーの前でだって、こんな風に感情を曝け出す事はできないから。



「身体…どう？頭痛いとか…気分悪いとかある…？」



気遣うように聞いてくれて、LIVE中しんどかった体調が落ち着いていることにようやく意識がまわった。



「大丈夫…、きたやまが病院に連れて行ってくれたからだね。ありがとう」
「よかった…」



額をゆっくりとくっ付けて、熱も下がったねと穏やかに微笑む北山の表情に、どれだけ心配をかけてしまっていたか分かった。



「っ……きたやま…」
「…ん？」
「……すき」
「お…」



ありがとうより、…ごめんねより、もっと北山に感謝の気持ちを伝えたくて。
素直な思いを言葉に乗せたら好きが溢れた。



「すき…きたやま…」
「ふふ…、うん」



俺の言葉に蕩けるような笑みを浮かべた北山は、全身で愛していると伝えてくれていた。








大好き、愛してる。
…それ以上の気持ちを伝えるには、どうしたらいい？

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