8 ページ41
sideF
ふわ…ふわ…。
優しく頭を撫でられている感覚にゆっくりと目を開ける。
ぼんやりと天井を見つめているとフッと影が差して、北山が安堵のため息をついて俺を優しく見下ろしていた。
何で横になっているんだろう…
俺は何をしていたんだっけ…
全ての記憶が曖昧で縋るように見上げると、何もかもを察してくれたように穏やかに目を細め、順を追って話してくれた。
LIVEを最後までやり切り楽屋で倒れた俺を病院に連れて行ってくれて、点滴をしてから北山の家に連れ帰って来てくれたこと…
起きるまでずっと様子を見てくれていたこと…
今は日付が変わって少し経った時間であること…
混乱している俺にも分かるようにゆっくりと丁寧に話してくれた。
途中で倒れたらどうしよう…やりきれなかったらどうしようって、そればかりが気掛かりだったから、ちゃんとアンコールまでステージに立てた事に安心して…思わず涙が込み上げて腕で目元を覆った。
「たい…?どうした…泣かなくても大丈夫だよ」
「…っ」
「…すごかったよ、ほんとに。かっこよかった…。
しんどいのに最後まで…、…偉かったな」
「っ……〜〜っ」
一生懸命目元を腕で押し潰して耐えていたら、温かな手によって退けられて…北山の優しい笑顔が見えた。
「…泣いていいよ、太輔」
「……っ」
「もう、頑張らなくていいよ。ほら…おいで」
北山が屈んで腕を伸ばしてくる。
ずっと触れたくて堪らなかった北山に思い切りしがみ付くと、優しく抱き起こしてくれてヨシヨシとあやすように背中を撫でてくれる。
もう…我慢しなくてもいい?
もう…泣いてもいいんだ……
甘えても、いいんだよね…?
580人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います! (2019年7月29日 0時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います!移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです!これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:絢音 | 作成日時:2019年6月15日 17時