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「っ…!」
余程疲れていたのか珍しくあっという間に夢の中に入ってしまった。
残された俺は不意打ちの名前呼びに固まり、穏やかな寝息が聞こえてきたところでようやく息を吐き出した。
「…つかこのタイミングで…、はぁぁ…」
『ひろ』
夜の行為時にしか頑なに呼ぼうとしない名前を呼んでしまうほど頭が正常に働いていなかったという事か…
それはそれでお疲れの太輔が心配で堪らないけど…
「……やっぱ、嬉しいもんだな」
何ならもうそろそろメンバーには薄々気づかれているかもしれないなと思う瞬間がたまにあるから、楽屋でくらいなら間違えて呼んでしまっても特に問題は無いだろう…と思う。
だから普段も名前で呼んでよ…と、あざとかわいくお強請りしたら叶えてくれるだろうか。
「……なんてな」
本当は太輔が眠りについたらこっそり抜け出そうと思っていたけれど、あんまり気持ち良さそうに眠るから俺も少しだけ二度寝するかな…と、無意識に擦り寄る身体を抱きしめながら目を閉じた。
.
「……ん…」
心地良い体温に気づけば二時間も寝てしまっていた。
さっきと比べ格段に楽になっている身体に、俺自身も気づかぬ内に疲労を溜め込んでいたのだなと思った。
太輔はまだ熟睡しているようで起きる気配は無い。
起こさないように慎重にベッドから抜け出して、起きてくるまで適当に時間を過ごす事にした。
ずっと気になっていたひと昔前の映画をソファーに寝そべりながらスマホで見たり、ウェブの更新をしたり、気分転換に滅多に飲まない太輔お気に入りのハーブティーを飲んでみたり。
寝ているだけなんだろうけどなかなか起きてこないから、万が一にも気分を悪くしていたらと心配になり、一時間おきくらいのペースで様子を見にいったりした。
「……よく寝てる…」
時折寝返りを打ちながら、随分と穏やかな表情で眠っている。
あどけない表情に子どもみたいだなと思いながらそっと頭をひと撫でして、ヘッドサイドの棚に冷たい水を置いてリビングに戻った。
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絢音(プロフ) - はっちみつさん» はっちみつさん、初めまして♪作者の北藤を愛でて下さりありがとうございます(^^)こちら現在連載中の「俺とお前のHUGKISS」へと続いておりますので、よければそちらもぜひ遊びにきて下さると嬉しいです♪今後も北藤は強く推していきたいと思います! (2019年7月29日 0時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
はっちみつ(プロフ) - はじめまして。こんなに素敵な北藤に出会えて感激してます。漢みっくんと可愛いたいPを今後も楽しみにしてます! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 4caade0e16 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - さくらさん» さくらさん、初めまして♪日頃よりリピートして頂いているようで嬉しいです♪北藤はまだまだマイナーのようですが、北藤ちゃんの可愛さがもっと浸透すればいいのにと思う今日この頃です(^^)かわいい太輔さん、お届けできるよう頑張ります♪ (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - めぐさん» めぐさん、初めまして♪北藤の沼もハマってしまえば底無しなので、これからも細々と普及活動を行いつつ北藤ちゃんを愛でていきたいと思います!移行先でもまたお願いします(^^) (2019年7月26日 14時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - はじめまして。この作品の北藤が好きすぎて、いつも更新を楽しみに見させて頂いています(´-`)他の作品も何度も読み返してしまうほど好きです。私は北藤が好きなのですが、あまり北藤の小説を見つけないので嬉しいです!これからもかわいい藤ヶ谷くん楽しみにしてます! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 3c1a22a277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2019年6月15日 17時