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31話) 「桃色は見開いた」 ページ34

目が覚めたのは自分の家の居間。
ちゃぶ台の上に突っ伏して寝てしまっていたようだ。

トド松)…あ

テレビがつけっぱしになっている。
そう言えば何かを見ていた気がする。
大切な事を、見ていた気がする。
周りを見れば、三男以外の兄弟達がそれぞれ自分のやりたいことをしてのんびりしていた。

何かを忘れている気がする。
そんな気がした。
気のせいだと思いせめて布団で寝ようとテレビを消し、二階に向けて歩き出す。

木の階段をトントンと上がっていくと、二階の部屋の扉を開いた。
扉の向こうで待っていたのは窓の外を眺める後ろ姿の三男。
…いつもより何故かその背中が小さく見えた。
悲しんでいる様に。
寂しがっている様に。

トド松)…?兄さん…?

呼べば振り向く三男。
ただその顔には狐の面がかけられている。

トド松)…どうしたの…それ

黒松)…

無言。
それが何を示すのか、トド松は知っていた。
三男は怒る時と寂しがる時に無言になる。

トド松)…どう…したの?黒松兄さん

黒松)……

狐の面に手をかけ、ゆっくりと外す三男。
その下の顔はとても愉快そうに笑っていた。
紅く光る不気味な目に、トド松は思わず目を見開いた。
自分の知っている兄では無い。
そう思うと目の前の人物は誰なのか。

黒松)…早くしないと連れてっちゃうぞ?

その言葉が頭に焼き付くように響いた。

暗転。
混濁する意識の中で、兄がその言葉の後にとても哀しそうな顔をしていたのを、トド松は見た。

「桃色は見開いた」

32話) 「黄色は伸ばした」→←??話)??、の息抜き?



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レメリー - だるまさんがころんだの歌詞入ってませんか? (2016年9月4日 23時) (レス) id: 2dcaedb540 (このIDを非表示/違反報告)
三色団子(わらび餅風)(プロフ) - 一松さん» 初コメありがとうございます!ホントですか?!ありがとうございます! (2016年4月4日 1時) (レス) id: 695e3d165e (このIDを非表示/違反報告)
一松 - いいねぇ~(^Δ^) (2016年4月3日 23時) (レス) id: d1c6f87112 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三色団子(わらび餅風) | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年2月23日 0時

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