泣き虫を笑って ３

１１９：この前は、ごめん ページ37

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「お前に悪いことしたなって思ったから」



…え？






「この前は、ごめん」






この前って、いつ？

アドバイスなら高地に聞いてって、冷たく突き放した時？



「あれは…ただの八つ当たり。でも、お前があんな顔すると思わなかった」

「・・・」

「だから、そういえば…って◇◇社のこと思い出して、企画のことは俺にもどうにか出来るかなって」

「…え？」

「あのクソ部長には抗議しても時間の無駄だから。それなら二宮社長に直接って思ってさ。資料室とか、デスクの引き出しの中漁りまくってデータとか探して」



それ……


私に興味なんて無いですよみたいな顔してた時…？


たしかにデスクでゴソゴソしてた…。


それ、私の為だったの……？





「京本さん、最近外回り多かったですよね？」

「だから、資料集めしてたんだよ。口で説明するより見てもらう方が説得力あんだろ」

「自分の仕事もあるのに…わざわざですか？」

「そう。だからこの前お前にその話しようと思ったら、なんか松村にめっちゃキレられたし俺」

「あ……」

「お前逃げるし」

「……すみません」

「人の話は最後まで聞けって親に教わらなかったわけ？」

「・・・」




あぁ…私、長いこと、とんでもない勘違いしてたみたいだ……。




「あのさ、」

「…はい」

「あー…いや、とりあえず会社戻ろう」

「あ、はい…」

「でさ、」



……なに………？






「今日は絶対、一緒に帰ろ」




まだ話したいことあるから、ってーーー…





「……はい」





やっぱり私ーーー…また期待してもいい？






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