ヤンデレの集いゴールデンカムイ (ページ9)

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俺の王妃大沢房太郎ページ9

最近は色んな人に会うことが増えた。前よりも金塊へ、いや真実へ近付いているのかと思うと少し嬉しくなった。

『…ねぇ、Aちゃんはさ好きな人とか居るの？』

恋バナを毎晩ふっかけてくるこのデカい男は海賊房太郎という名前らしい。アシㇼパさんにもなんか話してたな…なんて思いながらも彼の方を向く。

「私はいませんよ、房太郎さんは？」

彼は少し驚いたような表情を見せた後、いつも通りの笑顔にフッと戻った。

『んー俺？強いて言うならAちゃんかな？家族とか大切にしてくれるタイプそうだし』

家族なんて気が早いな。そんなことを呑気に考えながら私は笑って返事をする。

「家族、ですか…確かに大切にしてます。だって家族に会えない今、凄く寂しいですもん」

そう笑うと彼は少し冷えた手で私を包み込んだ。突然の事でびっくりして彼の胸板を押す。けれどビクともしない。

『そうだよなぁ…家族ってかけがえのないものだよなぁ…寂しくて誰かに縋りたくなるけど家族と違う距離感でもどかしくて…今、Aちゃんに家族はいないのと同然だ。俺と一緒なんだよ』

いつもの笑顔ではない、深く傷ついたような表情。パニックで私の息は上がりそうになる。

『もう、俺と同じもの同士ってことでさ？結婚したらいいんじゃない？家族もできるし作れるし…な？』

威圧感に飲まれた私は頷くことしかできなかった。