月永さんの優しさ、誰かの優しさ。 ページ10
＊
「天祥院さんって……むずかしい」
長いため息をつくことで、持っていたライトが滑り
落ちそうになったのを危うく月永さんが支えてくれた。
「……おっ、新入り！！」
むっとした顔で私を眺めたあと、たまたま通った
朱桜くんをなんの意志からか大声で呼んだ。
相変わらず朱桜くんは月永さんを睨んでいるけど、渋々とこちらに歩いてきた。
「Aが元気ないんだ、なんでかって？
俺の妄想…インスピレーションによるとな、なんだか
さっき会った『帝王』といろいろあったらしい。
そんで、Aの心は深い闇に侵されていっている…！
俺は放っておけない……放っておけるわけがないんだ！
なんでかって！？
だっておれは王さまだ！いつだって、裸の王さまだ！
わはははは☆」
意味不明な言葉に、私も朱桜くんも呆れるばかり。
するとふんわり微笑んだ朱桜くんが、私の手の上から
朱桜くんの手をかぶせ、囁く。
「お姉さま。最近お姉さまの疲れた表情をよく見ます。
fwesuが近いから、という理由でちゃんとbedに入ってないのでは？
私は心配でたまりません。
どうか、garden terraceなどで休憩された方が宜しいかと存じます」
ここはお任せを、とスポットライトを軽々と持ち上げて
しまった朱桜くん。
私に微笑むと、月永さんに怒鳴りながら運ぶ朱桜くんの
背中に笑いかけて、
「んー。隠してたつもりなんだけど。ま、ありがと」
限界になった体に逆らえず、その場にばたりと倒れ込んでしまった。
がちゃがちゃんっ、と機材が崩れる音がした。
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水無月のぞみ - あんずちゃんはいい子だから悪女は嫌です。 (2023年3月18日 11時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
(*´･ω･) - とっても面白いです!!えっとこれで完結ですか？続き読みたいです! (2016年6月11日 10時) (レス) id: 3e90a60806 (このIDを非表示/違反報告)
雑音 〜ノイズ〜(プロフ) - この小説、好きです。もう更新はしないのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2016年3月9日 18時) (レス) id: fba53fb9f1 (このIDを非表示/違反報告)
お嬢(プロフ) - 小説読みました。これで完結？ですか？ (2016年2月24日 0時) (レス) id: 3a1f2f0e87 (このIDを非表示/違反報告)
あっさー(プロフ) - あんずちゃんが悪役なのが残念です。 (2016年1月21日 6時) (レス) id: 60dc17cf12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐野 | 作成日時：2015年9月29日 21時
