第2話 羽風薫side ページ3
突然の知らせだった。
彼女はその日いつもと変わらず元気だった。
土砂降りは嫌ですねなんて会話をして、今日こそはプロデュース来てくださいっていつもみたいに他愛のない会話をして……
でも……
電話越しに聞こえてきた千秋君の震えるような声とザーザーと鳴り響く雨の音が、今でも耳にこびりついて離れない。
ただただ走った。
思い切り病院のドアを開けた時はもう遅かった。
そこには彼女の父と、母と兄である千秋君、幼馴染の朔間兄弟が既にいた。
そして白い布が掛けられた彼女がいた。
全身から力が抜けるのがわかった。
医師の話が終わると警察らしき人達が何人も入ってきた。
他殺……。
そういえば彼女は前からしつこいストーカーにあっていて、俺も家に何度か送って行った記憶がある。
そんな事を考えているうちに次々と皆んながやってくる。
泉君、アドニス君、晃牙君、奏多君ーー。
思い思いに泣いたり叫んだり怒ったり、あの時の光景は思い出すだけで眩暈がする。
だって、それは本当に彼女が死んだっていう事なんだから。
「Aちゃん……」
瞬間苦しい胸の痛みに襲われた。
激しい咳とともにひらり、と紫色の花びらが宙を舞った。
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作者名:あんすた大好き
作成日時:2015年11月24日 17時