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 続き5 ページ6

すると男は愉快そうに目を細めて、鼻で笑った。


「金が目的だと思ったか?…残念だなぁ、俺らの目的はお前だよ。なぁ?探偵の助手」


は?目的が俺?思わず眉間にシワが寄る。


「忌々しい探偵を潰すには、そいつの大切なモンを奪っちまえばいい。その大切なモンに、今日は忠告(脅し)にきたんだ」


不気味なほど、男は嗤う。何がそんなに可笑しいのか、何がそんなに面白いのか全く理解できない。


さっきから一切隙を見せないところもまた、不気味な雰囲気を加速させていた。


おそらく相手は何かしら探偵(ないくん)に恨みがある奴ら。直接ないくんを襲っても俺がいるから手が出せない。ないくんを探偵として、その地位を潰すために、俺に手を出してきたってことか。


…ホントに成功するとでも思ってんのか。


「言っとくけど…俺は強いからね?」


「ハハハ…そんなの知ってる…!だから必死に探したよ!お前の弱み!そしたらどうだ?探偵はお前がいないと役に立たない雑魚だ。お前はッ」


「―――――――――!」


次の瞬間、男はりうらの核心に触れた。


心臓の、奥を抉られたような感覚になった。


「は、あ?」


目の前が黒に染まった。




▽▲



「りうらー!ただいま、おみあげ買ってきたよ!一緒に食べよう……ってどっ、どうした!?顔色超悪いけど!?」


「…んーん……大丈夫」


「……………。…ホントに大丈夫?なんかあったの?話せそう?」


話せない。話せないんだよ。


「ホントになんでもないから」


「…………そか…、…………いつでも言ってね」


「うん…ありがと」


流石のないこでもこんなにも憔悴しきった姿をみるのは初めてだった。理由を知ろうにも本人が話したがらないので無理だ。


何が、あったんだ…?


▲▽


深夜。誰もが寝静まった静かな場所に影が一つ。


「…じゃあね、ないくん。ごめんね。…っまた、会いたいなぁ…」


そう溢して少年は、夜の闇に消えたのである。大切な人を、愛してやまない人達を、たった一人で守るために。


案の定少年は酷い暴力にあった、耐えて耐えて耐えて、そして、逃げ出した。


限界はあって、もう耐えられなくて、これ以上傷つかないために自分を閉ざした。それが記憶喪失の原因である。


▲▽



ないこside

突然俺の前から姿を消した。その事実が、酷く自分を打ちのめしたことを、今でも覚えている。


ホントに、ホントに突然のことだった。


何も言わないでいなくなって、俺が探さないとでも、思ったのか。諦めるなんて思ったのか。絶対見つける。見つけて理由聞いて、それから、…、また一緒に暮らしたいなぁ…。

悪役令嬢に転生したけど完全に攻略対象の倫理観バグってる件について。→← 続き4



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オレンジミックスの香り - なふさん» ありがとうございます!!!!!更新頑張んなきゃ…(遠い目) (2023年4月11日 14時) (レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
なふ - やぁもう好きです!!!!! 無理せず、更新頑張ってくださいっ (2023年4月5日 15時) (レス) @page4 id: 2326558a84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オレンジミックスの香り | 作成日時:2022年7月25日 14時

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