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 続き4 ページ5

――りうらの過去と記憶喪失の原因の話。


3年前の朝。探偵社にて。ガチャリとドアが開く。


「おはようりうら(・・・)めちゃ眠…」


「おはよーないくん、今もう8時だけどねー。寝癖エグいし」


「マジぃ…?」


敵対関係にある探偵側と、怪盗側。その中心人物である彼らが果たして、同じ家に住んでいて、ましてや仲よさげに挨拶を交わすだろうか。それは、勿論否である。


記憶を失った少年、りうら。空白の過去の、全てである。


早々に両親を事故で失ったりうらは、従兄弟であるないこ家に引き取られた。


ないこの祖父は探偵をやっていて、そのカッコよさに見事に心を奪われた二人。探偵を継ぐことになったないこ。そしてりうらは、探偵の助手になったのである。


祖父を喪っても、ないこの持ち前の頭脳で若くして名を上げていった探偵社。助手として、ボディーガードとして十二分に活躍したりうら。


二人は、まるで本当の兄弟のような、でもそれよりかはもっと重いような。お互いがお互いを強く必要としている、そんな唯一無二の関係性になっていた。


その日、ないこが件で現場に駆り出されることになり、店番を頼まれたりうら。


今朝。


「…えっなんで!?俺も行きたいんだけど!」


「なんか一人で来いって言われちゃってさぁ…りうらは店番頼むよー」


「それ絶対なんかあるやつじゃん…」


「大丈夫だって!或人(アルト)さんが俺にしか頼めないんだーって電話ごしに泣きつかれたんだよ…それでりうらは連れて来ないでって…相当恥ずかしい依頼なんじゃない?なんで俺に頼むかな…一応探偵社なんだけどなここ…」


「あぁ…なら別に…行かなくていっか」


そして現在。


ひまだなぁ…。ぽかぽかと差してくる陽光に目を細めながらじっと客が来るのを待つ。どうせ来ないんだろうけど。まぁ平和な世の中ってことで。


その時、ガチャリと事務所のドアが開いた。危うくお茶を吹きかけたがそんなことはどうでもいい。


一ヶ月に一名様いるかいないかの依頼者様がご来店なさったー!!


「いらっしゃいませー!どのようなご依頼でっ「動くな。妙な動きしたら殺す」


手元には鈍く光る、銃。


迷わず手を頭上に上げる。強盗かな、なんでこんな貧乏探偵社に…。


目線で金庫がある部屋を示す。金ならあるよ(極微量)。…ないくんごめん。ただでさえ金欠なのに…。


まぁ、冗談はおいておいて。油断してるすきに思いっきり銃を蹴り飛ばして捕まえようとか思ってたけど、そんな甘い考えじゃ多分無理だ。だってコイツ…隙が、見えない。

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オレンジミックスの香り - なふさん» ありがとうございます!!!!!更新頑張んなきゃ…(遠い目) (2023年4月11日 14時) (レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
なふ - やぁもう好きです!!!!! 無理せず、更新頑張ってくださいっ (2023年4月5日 15時) (レス) @page4 id: 2326558a84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オレンジミックスの香り | 作成日時:2022年7月25日 14時

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