2.スパイス ページ3
syoside
部屋の隅。
飲み会の途中に、男二人が小声で神妙な雰囲気で話し込んでいる姿なんて、一体誰が望んだと言うのか。
目の前の大男、アニキこと悠佑を内心呪った。
俺たちは現在、絶賛恋愛相談中であった。
次から次へと延々に聞かされるりうちゃんカワイイ話。
それが恋愛相談といっていいのかは分からないが、これまで耳が腐るほど聞いてきた訳で。
ゆう君の知り得るりうちゃん情報は全部俺が知っているといっても過言ではない、というとこまで進んでいる。
しかし。しかしだ。
どういう訳か、俺はこの鈍感筋肉オバケ。悠佑。ゆう君が。
＿好き、なのであった。
勿論それは、恋愛的、な意味で。
自分でもものすごーく複雑な状況にいるのは承知の上だ。
ホント、何でこんなことになったんだか…
まだ熱く語り続けるゆう君を横目に、ストローでコップの中をかき混ぜる。
カラン、と涼しげな音が響いた。
そのままストローをくわえ、目だけ回りを見渡す。
…すぐ前で、ないふがいちゃついとる。
遠目でも分かるほど、髪から覗く耳まで真っ赤なないちゃんと、ないちゃんに抱きつかれてるのに気にせず酒に手を伸ばすまろ。
あ、ないちゃん頭グリグリしてる。
酔うとあんなになるんか、新たな一面発見ってか。
まろはまろで何でそんなことされてんのにまだ酒に手を伸ばすん。酒への執着がエグい。
いむ君と、噂のりうちゃんは…お、ゲームしとんな、楽しそうで何より。
「…う、おい初兎聞いとるんか」
「…！あー…うん聞いとる聞いとる」
現実逃避失敗。一瞬で引き戻された。気を反らそうにも反らせられない、これが、現状だ。
「ち…ちゃんと聞いとってくれや…俺が恥ずか死するぞ！いいんか！」
「恥ずか死！？ゆう君カワイイこと言うやん」
「やめい！！俺は真面目に話しとるっちゅうのに…」
「…！………」
＿こういうときに見せるその顔。
相談される度、毎回ふと見せられる、本気なんやなと思い知らされる顔。
諦めざるを得ないような。
彼は彼で本気の、俺なんかよりずっと価値のある恋をしているんだから。
そう。とっくに諦めはついていた。
最初こそそれなりに葛藤はあったけど、それでも、叶うことはない。
どうせなら相手の幸せを願っていたいって。
これはエゴ。分かってる。
でもそうでもしないと多分身が持たないから。
＿＿好きが、甘いだけなんて、一体誰が言ったんだ。
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オレンジミックスの香り - なふさん» なふさん他の作品の方にもコメントしてくれてましたね〜！ありがとうございます！！！（大泣き）ないふは特に私の妄想が詰まってるので解釈一致嬉しすぎですッ！！ (2023年4月11日 14時) (
レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
なふ - シュガーのないふがっ・・・ないふが・・・っ（語彙力）ないふの認識、じゃないけどすごい解釈一緒です。。。やばい尊い・・・！ (2023年4月5日 15時) (レス) @page2 id: 2326558a84 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジミックスの香り - ぱんだーばーさん» マジですか…？めっちゃ嬉しいですぅぅぅ（泣）我が同士…（誰） (2022年9月26日 22時) (レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだーばー - オレンジミックスの香りさん» ﾄﾞｩｧｧ…(奇声)🍣さんの解釈一致すぎてしにそうです…(尊)(語彙力) (2022年8月5日 11時) (レス) id: 1e8560e5e5 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジミックスの香り - ぱんだーばーさん» 初コメありがとうございます！とっても嬉しいです（震）🍣さんは表立っては強く振る舞ってるけど内心弱々ですぐ傷ついてしまうと良い…正に作者の妄想の権化です。なんてことでしょうｯ。ハッピーエンドまで更新頑張ります！ (2022年7月24日 20時) (レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オレンジミックスの香り | 作成日時：2022年4月3日 11時
