検索窓
今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:241,266 hit

第134話 ab ページ41

めめの舌が俺の舌を撫でた。
そのなんとも言えない刺激に、思わず眉根を寄せてしまったかもしれない。

でもこれが、紛れもなく俺の望んだもの。
俺と佐久間の未来のために必要なこと。
…なのかな。


「んっ、」


声が漏れる。
そんな自分が嫌でたまらなかった。
そしてそう思えば思う程、自分でしたはずの選択にも、どんどん自信がもてなくなる。


「っ、」


歯茎の裏側も舌でなぞられた。
佐久間にも舐められたことがなかったそこだけど、確実にぞくぞくとした快感を拾っていた。
なんて、あまりにも滑稽だ。
恋人との未来のために出来ることが、こんなことだなんて。
どこの笑い話だと言われてしまっても仕方がない程、どうしようもない。


「っ、…は、」


唇が離れて、めめの胸に顔を埋めた。
それは恋とか愛を乞うものではなくて。
ただ、このどうしようもない自分を見せたくなかったからだ。
あんなシーンを撮らせておいてそんなの、あまりにも今更だけど。


佐久間を裏切って手に入れる未来。
めめや康二を巻き込んで手に入れる未来。
そんなものが欲しかったのかと、軽蔑されても仕方がないことは分かっていた。

それでも、俺は佐久間との未来を、どうやったって諦められない。
だからこれから佐久間にするほとんど嘘に等しい行為も、絶対にバレる訳にはいかない。
例えそれが滑稽でも、道徳に反していようとも。
貫き通すしか、未来は無いんだ。

第135話 ab→←第133話 mm



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (397 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
755人がお気に入り
設定タグ:さくあべ , skab
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

葉子(プロフ) - ゆきのさん» この音声が公開される日はあるのか否か…、ですが、この事務所なら切り貼りしかねないですよねぇ!どうやってこの沼から脱出するのか、誰がその一歩を踏み出すのか、ぜひ見届けていただけたら嬉しいです! (2021年2月6日 22時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - かおるさん» この小説で何度目だ!?と突っ込みが来そうな展開で申し訳ありません(汗)相変わらず可哀想なあべさんです…。さくまさん視点更新しますね…! (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 忘れずにいてくださったことに感謝です…!下書きが最近あまり進まないのですが、こんなに長い丁寧なコメントいただけたので、すごく励みになりました!頑張ります! (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» ーの助けはあると良いですよね。事務所側にも完全に陥れられている状態なので…。さて、mmさんがどう振る舞うか、iwsk、iwfkがどうなるのかは、さすがに愛の権利4で明かしたいところです!後者二つは最近mmab案件で完全に放置しているも同然な扱いですみません…!最早 (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 文明の進化ってある意味厄介なところありますよね、リアルでも。と、思っている機械音痴な私です…!今までのことも譲るのが1万歩だったことに思わず笑ってしまいました(笑)そんなに譲歩してくださるとはある意味お優しい!(笑)確かにこれだけ泥沼化しているのでメンバ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:葉子 | 作成日時:2021年1月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。