第133話 mm ページ40
「なんで？」
「それは内緒。」
しーって人差し指を唇に当てる阿部ちゃんはこんな時でもあざとさを忘れてない。
酔ってる体だから？
それとも佐久間くんにもこうなのかな。
康二だったらなんでも！とか、ええから瞑って！とか拗ねて返されそう。
まあそういうのが好きでついからかう俺もガキなのかもしれないけど。
なんて、こんな時まで康二のこと考えてる。
「ええ…、じゃあ、はい。」
戸惑う振りをして目を瞑る。
俺の二の腕辺りに阿部ちゃんの手が置かれた。
多分顔、近付いてきてんだろうな。
って思ったすぐ後、一瞬だけ唇に柔らかいものが当たる。
けどそれはすぐに離れたから、俺も目を開けた。
康二とならここで目が合うけど、今目の前にいる阿部ちゃんは下の方を切なげに見てて。
数日前、何かを諦めたみたいな康二の顔がダブった。
でも次の瞬間には小首を傾げてにっこり笑いながら
「正解は、チューがしたかったからでした。」
と演技を続けてた。
「ふはっ、何それ、可愛い。」
「蓮もキスしたくなった？」
「うん。
俺も亮平とキスしたい。」
「ふふっ、じゃあどうぞ。」
自分の唇をちょんちょん指差す阿部ちゃん。
佐久間くんにしてんのか、これ用に練ったプランなのか知らないけど、キスを強請る仕草一つとっても全然違う。
きっとさっきの下向いた阿部ちゃんも、俺が康二を思い出すように、何かしら佐久間くんのことを思い出してたんだろうな。
そんなことを考えながらもどうやら俺の番みたいだから、顎を手で持ち上げて触れるだけのキスをした。
けど、俺達はこの後やらなきゃいけないことがある。
だからさっきとは違って唇が離れても至近距離で目を合わせる。
阿部ちゃんも、その意図は察してくれたみたいで、
「れん、もっと、」
と言った。
それはすごく甘くて、でも切ない響きをしていた、気がする。
けど俺達の気持ちなんて一つも加味されやしないから。
ただただ事務所の望む通り、阿部ちゃんの腰に片腕を回して身体を密着させながら、唇を食むように、何度も角度を変えながら繰り返しキスをした。
それでも最後の抵抗とばかりに、少しでも隠れたらいいともう片方の手は頬に添えたけど。
キスを繰り返してるうちに、阿部ちゃんの手が俺の服をゆるりと掴んだ。
それを合図にするかのように、薄く開いたそこへ舌を割り入れる。
ただその時うっかり見てしまった阿部ちゃんの切なげに歪んだ表情は、しばらく忘れられそうにも無い。
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葉子(プロフ) - ゆきのさん» この音声が公開される日はあるのか否か…、ですが、この事務所なら切り貼りしかねないですよねぇ！どうやってこの沼から脱出するのか、誰がその一歩を踏み出すのか、ぜひ見届けていただけたら嬉しいです！ (2021年2月6日 22時) (
レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - かおるさん» この小説で何度目だ！？と突っ込みが来そうな展開で申し訳ありません（汗）相変わらず可哀想なあべさんです…。さくまさん視点更新しますね…！ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 忘れずにいてくださったことに感謝です…！下書きが最近あまり進まないのですが、こんなに長い丁寧なコメントいただけたので、すごく励みになりました！頑張ります！ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» ーの助けはあると良いですよね。事務所側にも完全に陥れられている状態なので…。さて、mmさんがどう振る舞うか、iwsk、iwfkがどうなるのかは、さすがに愛の権利４で明かしたいところです！後者二つは最近mmab案件で完全に放置しているも同然な扱いですみません…！最早 (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 文明の進化ってある意味厄介なところありますよね、リアルでも。と、思っている機械音痴な私です…！今までのことも譲るのが1万歩だったことに思わず笑ってしまいました(笑)そんなに譲歩してくださるとはある意味お優しい！(笑)確かにこれだけ泥沼化しているのでメンバ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉子
| 作成日時：2021年1月17日 0時
