愛の権利３＿skab

第135話 ab ページ42

あれから４日経ち、佐久間と会える日が明日に迫っていた。
それは嬉しいんだけど、４日経ってもあの件がまだ何も言われていない。
今までだったら結構すぐに写真とかきてたのに。
それこそ今回なんて事務所があからさまに組んでることだから早そうなのにな。
そう思って、帰りの移動車でマネージャーさんに思い切って聞いてみる。


「あの。」
「はい。」
「この前めめと夜に撮ったあれって…。」
「ああ、あれですか。
もう事務所が先方にオッケー出してましたよ。
阿部さんも見たかったですか？
すみません。」
「あ、いえ。
そういう訳では無いんですけど…。」


純粋に見たかったかと言われるとそれはノーであって。
そういうキスに見せるように言われたと伝えれば、俺とめめの思う先を知りすぎている程知っている人たちだからこそ、信頼を利用することにはなるけどだいたいの写真が誤魔化せる気はしているし。
ただ一方で、少なからず心配にはなってしまうから念のため、って気持ちもあるという感じ。


「明後日には流れますよ。
僕もちょっと見ましたけど、綺麗に撮れてましたから心配はいりません。」


何をもって綺麗なのかってのが問題だけど。
だって、画質なら悪ければ悪い程良い。
でもそんなことは言えないから、


「ありがとうございます。」


と、無難な返しをしておいた。





翌日、佐久間が俺達の方の家に来た。
めめは相変わらずモデルさんのお仕事。
すっごく朝早くに出て行った。


「ガパオライス美味かったー。」


お昼を食べた後ソファに並んで座ると、佐久間が満足げにそう言った。


「良かった。
この前めめに試食してもらったかいがあった。」
「へえ。
そういやめめと住み始めてからのご飯ってどんな感じなの？
基本自炊？」
「うーん、まあ仕事場で用意してもらうこともかなりあるでしょ？」
「売れっ子の発言だわ。」
「同じグループじゃん。」


俺の返しに、んはははっ、と佐久間が可笑しそうに笑う。


「他の日は？」
「コンビニなこともあるよ。
あとはめめが作ってくれたこともあるし、俺が作ることもある。」
「へえ。
何作ったの？」
「んーっとね、」


スマホを手に取り、カメラロールを見る。


「あ、カルボナーラ作った。」


作った時の写真を見せた。

第136話 ab→←第134話 ab

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す