煉獄家長女、教えます。弐【キメツ学園】

問題15 ページ16

『え？』



「だから夏祭りよ！」

『いや、それは分かるけど……』



「蜜璃さんは伊黒先生を誘う、そういう事ですね？」

「そうよ！体育祭は何も出来なかったから、次こそ……！」

「応援してます」



現在休日の昼。定食屋で女子会ランチである。定食屋というのが一般的ではないんだろうが。まぁ私達には関係ないことだ。

蜜璃、しのぶ、私というのがメンバーである。大体は蜜璃の恋バナなんだけど。




今回も例に漏れず恋バナ……だね。




『そうか……じゃあ夏祭りで告白かい？』

「そろそろハッキリ言いたいの。もう……我慢するのは嫌だから」

『うん。良いと思うよ。小芭内も喜ぶだろうし』

「ホント！？そうだと良いわ」

「きっと喜びますよ。だって伊黒先生、蜜璃のこと『しのぶ』あ……すみません、何でもありません」


やんわり名前を呼べばすぐに修正したしのぶ。やっぱりうっかりさんなのはカナエ先生と似てるんだなぁ……



「お待たせしました。日替わり定食3つです」


「ありがとうアオイちゃん！」

「やっぱりここのご飯が一番美味しいですからね」

『量も味も文句なし！いつもありがとうアオイ』

「いえ……作ってるのは親なので」

神崎アオイ。キメツ学園の生徒でありここの定食屋の娘。よく手伝いをしている。


『どちらにもだよ』

「そ、そうですか。ありがとうございます」


「ん〜！美味しいわ！」

「安心する味ですね」

『うん！いつも通り美味しい！』



「いつも美味しそうに食べてくれてありがとうございます」

一礼してアオイは厨房に戻って行った。



「夏祭りですか……今年は姉さんから誘われてますね」

『姉妹で？良いなぁ』

「嘉柳さんも煉獄先生と行けば良いのでは？」

『千寿郎と3人で毎年行ってるよ……ただ、今年は多分違うと思うんだよね』

「？」

「分かったわ。今年はみんなで行くのね！」


ご飯を頬張りながら指を立てた蜜璃。



『うん……天元がね』

「あぁ……あの人なら言いそうですね。馬鹿騒ぎが好きな人ですし」

『馬鹿騒ぎって……』


仲間内には意外と厳しいなぁしのぶは。


「もうすぐ夏休みに入りますし、楽しみがたくさんありますね」

「そうね！みんなで遊びに行きましょ！」

『良いね』


そんなこんなで過ぎていく昼下がり。

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