命令10 ページ26
川西「アラン……あぁ、尾白アランか。そいつも俺が…………って言って欲しいんだろうけど違う。それに関しては俺もよく分かってない。あの日の夜は寝てた」
北「……」
川西「納得いかないって顔だな。まぁ分かるけど。
俺が関わってないのは本当だとして、ボールを隠した奴の見当はついてる」
北「!……誰や」
言ってやってもいいけど、と川西は足を踏み出して北の前に立った。
川西「確証の無い情報をもらってどうなる?今更犯人探しでもしてどうする?第一、犯人が生きてる保証も無い。俺の勝手な憶測に振り回されたいか?」
北「……っ」
キッ……と川西を鋭い眼差しで見上げた北。一瞬で川西の顔から表情が消えた。
川西「……やっぱやめた。あんたには絶対言わねぇ。
そういう正義振りかざした目、大っ嫌いなんだよ」
北「……大義が嫌いか」
川西「矛盾してるって言いたいのか。良いよ別に。人間元々矛盾ばっかだ。
矛盾してない人間なんかこの世に居ない。あんただって矛盾してないか?今更尾白アランの事を掘り返して、でも今さっき死んだ宮侑に関しては何も触れてないよなぁ……そうだろ」
川西は拳を握る北の横を通り過ぎ、つかつかと体育館前方に歩いた。そして及川の手前まで来ると、ほんの少し顔を緩めて口を開いた。
川西「バレー、やりましょう。」
及川「っ……!」
川西「せっかく貴重な合宿に来たんだから、バレーしないで何するって言うんですか」
もはや面と向かって向かい合う事ですら、恐怖を感じる。発せられた言葉を理解するのには大きなタイムラグがかかるし、この奇異を前に正気を保つのにも相当量のエネルギーを要する。
握り締めた手の感覚が薄れていく中、やっとの事で及川は答えた。
及川「わ、かった……やろう。
っ、でも……お前…………普通じゃないよ」
川西「……。
まぁ、何かをするには悪者は必要ですよね」
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すみた先生(プロフ) - 生きてる人さん» 読んでいただきありがとうございます!自分でもなんで川西をここまで育てたのかよく分かりませんが、役がハマったようで良かったです(笑)。どうかそのまま生きてください…… (7月24日 23時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
生きてる人(プロフ) - 読んでいるうちに片鱗は見えてたのですが命令9の川西が本当に大好きすぎました!!!!!!このような素晴らしい川西をありがとうございます!!あなた様のおかげで命が救われ気力体力全回復しましたありがとうございます!!!!!!! (7月24日 8時) (レス) @page3 id: 17d3aa535f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 命令9の最後にて、チーム分けに間違いがありました。国見と金田一が逆になっていた事をご指摘頂きましたのでここで報告させて頂きます。混乱された方、大変申し訳ございませんでした。訂正し、お詫び申し上げます。 (2022年1月3日 19時) (レス) @page48 id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 員脚さん» ありがとうございますっ!どんどん加速してラストスパートかけていくんでよろしくお願いしまーす!! (2022年1月2日 22時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
員脚 - あらあら!!!川西くんが活躍しちゃうわ!!!まさかBチームが勝つとは!!やっぱ“すみた先生”最高っスワ (2022年1月2日 22時) (レス) @page48 id: a61a8e014c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年8月9日 12時