捕らわれのお人形さんは恋をする (ページ9)

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お人形さんのお友達ページ9

『おはよう、お人形』の続きです

何でも許せる方のみどうぞ～( っ・ω・)っ

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私に体をすり寄せる彼女は此処にはいないはずの親友だった

『...ムー、なの？』

ニャーっと、まるで、そうだ、とでも言いたげに鳴く

｢えっと、ムーくん？でいいんスかね？｣

『！あ、はい』

『この子はムー。私の友達です』

｢そうなんすか。はじめまして、ムーくん｣

そうゆうと彼は人の良さそうな笑みを浮かべムーの頭を撫でる

『あ、あのブッチさん』

｢ん？あ、ラギーでいいッスよ｣

『え、でも....』

｢同級生なんだし、俺もこれからAくんって呼ぶから｣

そうキラキラした目で見られる

うっ、断りにくい

と、いうか...

『あの、なんで知ってるんですか？名前』

｢─あーそれはッスね、あんた、入学式で相当目立ってたから｣

そういえばスゴい視線を感じていた

｢２つの寮から選ぶなんて聞いたことないッスからね～｣

｢しかもその見た目でサバナクロー選ぶなんて、誰も予想してなかったッスよ｣

『？そういうものですか？』

『別に特別な理由はありませんよ』

『ただ──』

『あんな綺麗な人の近くに私なんかがいちゃ駄目だから』

『私は醜くて汚い子だから』

｢？｣

あ、またやってしまった

変な子だと思われただろうか

｢よく分からないスけど、俺あんたのこと綺麗だ思いますよ｣

そう言うと、ラギーさんは優しい手付きで私の髪を撫でる

『私、自分の容姿は嫌いだけど、この髪だけは好きなんです』

『お母様に似た白い髪』

『鏡を覗けばそこにはお母様が居るから』

だけど、

私は自分の髪に手を伸ばす

無造作に切られた髪は長さがバラバラでもとのロングとは似てもにつかないだろう

｢髪、切っちゃったんスか｣

折角綺麗だったのに、もったいないと撫でる手を止める

｢....ちょっと待っててください｣

ラギーさんはそう言うと部屋の奥からハサミを持ってきた

｢じっとしてるッスよ｣

彼は慣れた手付きで髪を切り揃えてくれる

静か部屋にチョキチョキと、ハサミの音だけがする

｢───よし、おしまい。どうスか？｣

彼は私の手を取り洗面台の方へ連れていく

鏡のなかには白いショートヘアーの私がいた

｢俺は何も知らないけど、AくんはAくんっよ｣

『っ！！』

彼の何気ないその言葉で、私の心は軽くなった気がした