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まだ昼時か。
早い時間に任務に出掛けたので、思っていたより早く戻ることができた。
部屋で、Aさんが待っているのか……
逸る気持ちを抑えるように、胸元に手を当てる。
……ドクドクと、うるさく音を立てていた。
「Aさん、今戻りました」
背筋を伸ばしたAさんの、凛とした背姿を期待して襖を開ける。
と、そこには
「っ…………さ、ねみ……お疲れ…………ぁ、おい、こら……っ」
…………衣服のはだけた、Aさんが居た。
・・・
「で、コイツが暴れた……と。そういうことかァ?」
落ち着きのない犬を取っ捕まえる。
顔を近づけて「駄目だろォ」と叱ってやると、言っていることがわかったのか、困ったように鳴いて大人しくなった。
今は俺の膝の上で静かにしている。
「まさか、服の中に入ってくるなんてな。元気なヤツなんだな」
Aさんはそう笑いながら、乱れた服装を整える。
乱暴にひっぺがすことはできただろうに、傷付けてしまうのを気にして、されるがままになっていたのだろう……顔は火照り、息も少し上がっていた。
っ…………妙にえろい、な。
「あんまりそう、無防備なことされると……歯止め、効かなくなりますよ」
距離を縮めて顔を近付けると、ビクッと怯えたように震えるAさんの肩。
普段は何事にも動じないAさんが、こんなことで顔を赤くしているなんて……堪らねぇな。
トッと肩を押して畳に押し倒す。
恥じらった様子のAさんが、色っぽくて、もう色々抑えられなくて。
「Aさん…………ん」
「ぁ……実弥…………」
両手を絡めて、キスをした。
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mikitty(プロフ) - 好きです!!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - やっぱり何回見ても最高だなぁ、ぐへへ(( (2020年12月19日 14時) (レス) id: 4fc468f2f2 (このIDを非表示/違反報告)
柴犬(プロフ) - 素敵な作品ですね...、愛情表現や色気のあるシーンがすごく好きで一気読みしてしまいました。他の作品も読ませて頂きたいのですがパスワードというのはどちらで伺えばいいのでしょうか...? (2020年5月30日 9時) (レス) id: 87b58a18e6 (このIDを非表示/違反報告)
ohagi - めっちゃ最高でした。自分も腐ってるのでBLの方がよけい萌えました! (2020年3月31日 14時) (レス) id: 8e8ba22e4c (このIDを非表示/違反報告)
ひつじマイケル(プロフ) - お疲れ様です!読んでいてとても面白かったです!よろしければこれの短編集を読んでみたいです! (2020年3月30日 14時) (レス) id: 37a32601d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たつき | 作成日時:2020年2月29日 20時