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そろそろ死ぬ、と確実に目に見える範囲まで死が迫っていた時だった。内面図では機械室になっていた部屋の扉が不自然に閉まっていて、赤井はそこに立ち止まった。
瀕死の息を必死に整えていると、赤井が鋭い眼光で扉を睨めつけた。
「恐らく降谷君はこの中だろうな」
「マ?」
「ここで嘘をついてどうする。だが、この扉は罠だろうな。開けたらどうなるか分かったもんじゃない」
そう言うと赤井は、背中に背負っていたライフルバッグから特殊なサーモグラフィーカメラを取り出した。
扉にピッタリと当てて二人で中を覗き込むと、中には椅子に座っている人の形と、やはり扉の手前に何か温度を放つ直方体の機械が取り付けられていた。
「やはりな。このまま何も知らずに開ければ、降谷君諸共木っ端微塵という事だ」
「ここまで温度を放っているという事は遠隔式かつ、起爆スイッチの役目を持ったデバイスのデータを今も受信している可能性が高い。この場で通信妨害して、ついでに出処を辿ってデバイスにウイルスを仕掛ける」
「そんな事が可能なのか」
「私の事誰だと思ってんの。タブレット出して」
ライフルバッグからタブレットを取り出し、作業を始める。元からこの事態を想定してウイルスは仕込んでいたから、作業は五分とかからなかった。
「もう大丈夫だよ」
「ああ。行くぞ」
赤井がドアのロック部位にシグザウエルで五発打ち込み、扉をこじ開けた。
やはりと言うべきか、椅子に縛り付けられてそこに居たのは降谷さんだった。
降谷さんは目を見開いて私をガン見した。頬に一発食らった顔(恐らくブランデーにやられた)でぽかんと口を開けた姿は、正直人生で初めて見るレベルでお間抜けである。
そんな降谷さんを、精一杯高圧的に見下ろして言い放った。
「助けに来ました、
赤井が扉を閉めようとして、恐らく蝶番がイカれていたのか、三回程ガチャガチャとドアノブを押したり引いたりして諦めた。
「しまった」じゃねえよ。空気読んでくれ頼むから。
「阿木お前、こんな突入現場に、何で、」
「そりゃあ、言い逃げやり逃げしたクソ上司を断罪する為に決まってるじゃないですか」
「え、君達肉体関係にあったのか?」
「生々しい物言いをするなこのポンコツ男」
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今日中にこのシリーズ終了させます
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エリンギ(プロフ) - おかずさん» コメントありがとうございます!ご愛読本当に感謝です! (2022年9月20日 20時) (レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
おかず(プロフ) - 完結おめでとうございます!すっごく好きな作品だったので完結は寂しいですが、読み直したりしてまた楽しみたいと思います。素敵な作品をありがとうございました! (2022年9月20日 19時) (レス) @page48 id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - ぴょんぴょんさん» ご協力感謝します!お陰様で赤星になりました。 (2022年9月14日 22時) (レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんぴょん(プロフ) - すごい面白いです!こういうぶっ飛んだ降谷さんも大好きです!赤星ってどのくらいの投票でなるんでしょうかね。とりあえず周りの友達に宣伝してみます! (2022年9月14日 22時) (レス) id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - 猫モドキさん» ありがとうございます笑 (2022年9月9日 17時) (レス) id: f698343d68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリンギ | 作成日時:2022年9月1日 10時