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泣かないでよ、と袖で彼女の涙を拭うと、彼女は“ごめんなさい、嬉しくて……”と言って目を伏せた
大丈夫ですよ、と涙を拭っていた俺の腕を優しく押し返して、自分で涙を拭った後、またこちらを見て笑った
初めて見る、満面の笑み
「ふふ、そらるさんって……王子様みたいですね？」
可愛らしい顔でそんなこと言うんだから、まったく
「………Aだけの王子様だから」
からかい半分、本気半分
本気だと悟られないように口角を上げると、彼女はまたクスクスと笑った
「そらるさんもそういう事言うなんて、意外です」
そんな事を言う彼女に“俺にどんなイメージ持ってたの”そう聞くと、“大人っぽくて、不思議な人だって思ってました”そう返ってきた
「……そう言えば、そらるさんっておいくつですか？」
こてんと首を傾げた彼女に、俺は少し言うのを躊躇った後、“……もうすぐ30だよ”と小声で呟くと、彼女は驚いたように目を見開いた
「………意外です、もっと若いかと思ってました」
「それ、よく言われる。……Aは？」
俺だけ教えるなんてフェアじゃないでしょ、そう付け加えると、“そうですね”とクスクス笑った後に
「18です、なので今年高3です」
「…………へぇ、」
聞いておいて興味無さそうですね、そう言われて“違うよ”と否定した後に考える
(………ということは、ギリギリ……良いんじゃない？)
───いや待て、何考えてるんだ俺は
慌てて首を振って、煩悩を振り落とす
彼女に変な目で見られそうだな、そう思いながら彼女の方を向くと、俺の方は見ずにいつの間にか手に持っていた携帯を見ていた
彼女は一瞬目を見開いた後、顔を顰めて立ち上がった
「…………ごめんなさい、帰ります」
「…………は？帰る？」
「すいません、いきなり来たのに……でももう行かなくちゃ」
“この服、今度返しに来ますね”そう口早に言った後に、彼女は荷物をすぐさま纏めて小走りに帰っていった
止める暇もなく、突然のことにただただ呆然とする
(………帰りたくないんじゃなかったの？)
そう思ったが、彼女の様子からきっと何かあったんだろう
どちらにせよ今日はもう何も出来ないな、とさっきまで彼女が居た場所に何となく座り込む
「………そう言えば、ちょうど0時……」
シンデレラかよ、俺は失笑しながらそう呟いた
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通りすがりの乙姫様 - 完結お疲れ様でした！めちゃ感動しちゃいました…！！他の作品も頑張って下さいね！！ (2017年12月31日 20時) (
レス) id: 3bd615decd (このIDを非表示/違反報告)
(仮)そうけんびちゃ - お疲れ様でした！夢主ちゃんと俺の性格と似つかなくて何かおぉう、、、天使ぃみたいな感じでしたw自分やとあｱ？つって殴ってましたw (2017年12月24日 10時) (レス) id: 3ca494f799 (このIDを非表示/違反報告)
Mai - 綺麗なお話ですね…！このお話なら長編でも根気よく読めそうです(笑)お伽噺シリーズ、楽しみにしています！(少しだけ、最後に裏切った(？)人に腹が立ちまs(( ) (2017年11月15日 19時) (レス) id: c608e0f4fb (このIDを非表示/違反報告)
世界崩壊轟(プロフ) - なんだこのすごい感動する話。 (2017年11月11日 15時) (レス) id: c47e759a56 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - なんか…もう言葉が出ません…最高か…シリーズ化楽しみにしてます…（萌死） (2017年11月6日 21時) (レス) id: df5db280b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃろっと。
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月3日 15時
