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3話 ページ4

「露出してる部分の手当はできたけど…」

「服の中も傷だらけだろーね。むしろ今手当した以上に傷だらけかも。俺が手当しようか?」


だよね…、と呟いたところで花子くんが相変わらず下心丸出しなことを言って来たので、教室から追い出した。


机を寄せ集めて、その上に寝かせ、誰もいないことを確認してからそっと服を脱がすと、私が想像していた以上に痣だらけで、体の線はとても細かった。

出血がある所には消毒をしてガーゼを固定し、そうでは無いところには湿布を張りつけた。
制服で隠れてる上半身でこれだったんだもの、タイツで隠れてるところはもっと酷いんじゃ…


いけないことをしているみたいだけど、これは立派な人助け!!怪我してる人を見放したりなんて出来ないものね!!


タイツを下ろすと、案の定痣だらけで、思わず顔を顰めてしまった。先程と同じように手当をし、貼った湿布がめくれないようにタイツを直した。分かってはいたけど足はとても細かった。


「ご、ごめんね花子くん。手当終わったから…入ってきてもいいよ」


扉から顔をのぞかせてそう言うと、ぶすくれた様子の花子くんが教室の中に入ってきた。


「こんな可愛いのに顔を傷つけるなんて最低よね、嫁入り前なのに。」

「それにしてもお。ぱいでかいよね」


花子くんがそう呟いていたけど、私は何も言わずに背中をひっぱたいた。しばらく沈黙が流れていたけれど、どこからか携帯電話が鳴り響いた。発音源を探ると、私のものでは無い、この子の物だと思われるカバンからなっていた。

携帯の電話相手を見ると、その子には…


「源先輩!?」


ど、どうして先輩が…そう思いながらも電話に出ると、耳を劈くような声で先輩が話し始めた。


「A!?今どこにいるの!?僕が街中探し回ってもいないし…」


名前呼び…もしかして彼女!?しかも同棲!?!?隣で花子くんが笑いをこらえていた。


「え、あ、あのっ!源先輩!」

「あれ?Aじゃない?もしかして間違えた?」

「高等部1年の八尋っていいます!!その、A、ちゃんと思わしき女の子が…旧校舎で…えっと、怪我、して気絶しちゃってたので、手当したんですけど…」

「Aが?はは、まぁあの子は昔からお転婆だからなぁ…わかった、手当してくれたんだよね?ありがとう、八尋さん。今から迎えに行くからしばらくそこにいてもらってもいいかな?」


先輩と通話している、という感動の中、元気よく返事をした。

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作者名:あめり | 作成日時:2020年1月18日 23時

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