Laundry【ars K.N】 (ページ37)

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「誕生日まで仕事させんな！日本に帰らせろ！」

社長が言い出したのは、まだゲーム博覧会が1週間以上も残っているある日。

「何、フザけた事を仰ってるんですか」
「大真面目ですけど。超真剣ですけど！？」

あぁん？と、私にガンを飛ばしてくる社長。

「困った人ですね...」

そう言って、本当に困ってるような顔を見せたけれど社長がそんな事を言い出すだろうというのは想定内。
こちらでも早めに社長を帰らせられるように、本社に連絡を取りいつでも代わりの者がこっちに来られるように準備はしていた。

しかし、それを知らない社長は彼なりの強行手段なのかTVの取材で「もう帰る」宣言。
しかも「会いたい人が居るから」という何とも漫画のような理由付き。

取材を終えた時、私にドヤ顔したのは言うまでもない。

・

「二宮社長、AIBER GAMEの相葉社長から会食のお誘いがありましたが」
「えぇー？またかよー。アイツ、オレのこと絶対好きだよね？」

社長は今日も、子供部屋のような社長室でクフフと笑う。

ゲーム雑誌をパラパラと捲り

口笛を吹いて

無事、結ばれた恋人とのノロケ話をしながら。

「あ、翔ちゃん。ちょっと役員達集めてくんない？良いアイディア浮かんだ」

そして今日も、私たちに

あぁ、この人には敵わない...と思わせてくれる。

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