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片手に水桶を持ちながら
階段を下りる
和也「俺ん家、貧乏でさ
子供の頃とかファミレスすら行けなかったの」
「そうなんだ、なんか意外だね」
和也「ん？どうして」
「風貌とかしぐさとか上品だから」
和也「そう？わりと緩かったけどね
口の周りケチャップだらけでも
笑って拭いてくれるような家庭だったよ」
「いいね、そういうの
うちは厳しかったからマナーとか
まぁ普段は優しいし普通なんだけどね」
和也「厳格な家庭で育った感じはしないけどね」
「なにそれひどい、こう見えてもちゃんとしようと思ったらできるんだからー」
和也「あらそう？じゃぁ俺らの出会いは本当タイミングよかっただけ？」
「運命でしょ
まぁ運命は必然っていう人もいるけど」
和也「俺らの出会いは必然だと思う？」
「…間違いなく運命」
和也「ふっ笑
相変わらずわかりにくい回答ですね」
「え、そういう所好きじゃないです？笑」
和也「好きですよ」
車は発進してるから
短めのキスを交わし
ホテルへ向かった
「シャワー…浴びてくる」
和也「俺も浴びたい」
「駄目これ以上したら仕事にならない」
和也「体力なら他のやつには
負けないんじゃないの？」
「カズは別…もう一回なんてムリ
これから仕事だよ」
和也「…じゃぁ今夜は？
明日休みじゃん」
「…どっちの部屋？」
和也「俺ん家」
「たまには私の部屋でもいいんだよ？」
和也「俺ん家の方が会社に近いし
Aの部屋でAにリードされるのも
男の俺が我慢できないもん」
「もうっ！
…シャワー浴びてるけど本当に
入ってこないでよ、時間ないんだから」
和也「わぁったから
はやくはいっておいで」
タバコに火をつけ夜が明けていく
空をぼんやり眺めた
和也「っはぁ〜」
Aの香りが充満する部屋で
Aとしたらどうなんのってくらい…
想像しただけでやばいでしょ
まぁいかない理由はそれだけじゃないけど
「カズ、次入ってきていいよ」
和也「わかった
でもさ、朝からそれは誘ってますよね？
据え膳食わぬは男の恥って言葉知ってます？」
「違う！カズも時間ないと思って
着替えは後にしたの」
そのあとも何度かチャレンジしたけど
ことごとく振られ続け
時間はそろそろやばい時間を示してて
仕方なく夜まで我慢することにした
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作者名：和智 | 作成日時：2016年1月27日 0時
