恋唄-オフィスラブ-【all】 (ページ21)

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"好きだとは言えずにいた
恋のほうが消えないまま"

いつか聞いた歌の歌詞

翔に対して恋してたかはわからない

だけど当時の私は少なからず
他の男の子と比べたら翔を意識していた

恋に変わるには時間が経ち過ぎてる

だからこれから発展することはありえない

この距離がちょうどいいし

そもそも、そんな事誰も望んでいない。

翔「おいっ！
寝るならちゃんとベッドで寝ろよ」

「んっ…あ、寝てた？」

翔「飯食べてるのに
ふらふらーって立ってどこ行くかと思ったら
ソファーにそのままダイブ」

「ごめん今日いろいろあって」

翔「来た時から泣いてたからわかるけど
泣いてた理由とか聞いてもいい？」

「…モモちゃんがきた」

翔「モモちゃんてあの？」

「うん、あの人の妹」

翔「それで泣いてたのか」

「モモちゃんの言葉は
きっとあの人の本音だから」

翔「顔も強い上に
腹ん中でいろいろ考えてそうだもんな」

「食事会の時に無言で車に乗せられて
違う服に着替えさせられた」

翔「怖ぇー」

「あの人に相応しいのは私じゃない
もっと近くにいるのにね…」

翔「なにそれ」

「私は親との約束だし、あの人にとっても利益になるからお互い我慢できるんだよ」

翔「…それでいいの？」

「それが一番いいんだよきっと
カズがいるから今は平気だって思える」

翔「Aが決めたんなら
俺はもうなにも言わないけど
嫌になったらいつでも俺は助けてやるから」

「さすがゆーとーせー」

翔「学級員と生徒会長
やってましたけど何か？」

「委員長ー、泣いたらお腹すいたので
なんか奢ってください！」

翔「Aに奢りすぎて
俺の貯金やばいんだけど」

「またまたぁ部長さんでしょー？
平社員の何倍もらってるんですかぁ」

翔「佐藤さんしゃべりやめろ笑」

「バカっぽくしゃべってれば
可愛いと思ってんのがムカつくんだよね」

翔「そういえば佐藤さんと二宮が最近よくはしてるの見るんだけど仲いいの？」

「…普通そういうこという？」

翔「はっ？」

「友達の彼氏が他の女と話してるとかさ
聞きたくないに決まってるでしょ」

翔「お前…二宮の事本気なの？」

「…じゃなきゃ付き合わないよ」

残された自由な時間はあと少し

いつか思い描いていたのとは違う
未来を見てる暇なんて

これっぽっちもないの。