9-23.全員がストライカー ページ23
振り出しに戻った試合はより激しさを増し、次第に脚の筋肉が悲鳴を上げ始めた。
ここへ来て聖堂山のディフェンスは厳しさを増し、パスを出すのさえ困難な状況だ。
「霧野！」
一度体勢を立て直そうと、錦先輩から霧野先輩へパスが出される。
「甘いッ！」
すかさず聖堂山の選手がボールを掠め取った。
「な……！」
相手選手は間髪入れずに必殺技の構えをとる。巨大な矢を打つ兵器のような物が現れ、それを背後に相手選手が脚を弓のようにしならせシュートを打った。
「バリスタショット！！」
すさまじいスピードに加え、不意打ちに近かったこともあり信助くんの動きが一瞬遅れる。それでも負けじと彼はぶっとびパンチを繰り出したが、シュートの勢いに押し負け雷門のゴールネットが揺れた。
「ゴーーール！！ 聖堂山、キャプテンの黒裂により追加点！！ 点数は２対３！！ またも雷門引き離されました！！」
観客席から大きく歓声が上がる。
「白竜だけだと思ってもらっては困るね」
相手選手はそう言って不敵に笑い、自陣へ戻っていった。信助くんが悔しげにボールを睨む。
「信助くん＿＿」
「ごめん、止められなかった……」
どう声をかけていいのかわからず、何か言おうとしては息になって霧散する。
「次は頑張ろう」？ これは絶対にだめだ。「何かいい方法があるよ」？ それを考えるのは信助くんなのに、私が言うのは無責任だ。
言葉に迷っていると、信助くんのほうから言葉をかけてくれた。
「次は絶対止めるから！ 必ず！」
彼はまだ諦めていない。その瞳はむしろ闘志に燃えていた。彼だけじゃない、きっとフィールドに立っている全員がそうだ。負ける気なんてさらさらない。
「……うん。私もシュートがんばる」
「頼りにしてるよ！」
信助くんと互いの肩を叩き合ってから、私は自身のポジションに戻った。雷門のフォワードの一枠を任されているのだから、しっかりしなければ。
剣城くんの隣に立つと、彼が私にだけで聞こえる声量で言った。
「合体技を試す」
「うん」
試合時間を考えると、雷門はかなり追い込まれていた。
「どうにかしてディフェンスを引き剥がせるか。神童さんも手を貸すと言ってくれている」
「やってみる。……できるかどうかわからないけど」
「お前ならできる」
隣を見上げると、彼は「そうだろ」と口角を上げた。頷く以外の選択肢はいつのまにか無くなっていた。
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春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました！ (2021年3月6日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！ 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです！ (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2021年2月20日 21時
