9-22.特別な相手 ページ22
「Aー！ やったね！」
天馬くんが声を弾ませながら駆けてくる。
「Aのおかげで逆転への道が開けたよ！ みんなー！ この調子で頑張ろう！」
みんなが「おおっ！」と意気込む中で、剣城くんがこちらにやってきていた。彼は私の近くまで来ると右手を上げた。それを受けて私も左手を上げ、互いに手のひらを打ち合った。
「どちらが勝つのか、まったく予想ができません！！ まもなく試合再開です！」
自陣のポジションに戻ると、神童先輩がにこやかな表情で「やったな」と迎えてくれた。「ありがとうございます」と返すと、神童先輩が自身のポジションに戻ろうとしたので慌てて引き止めた。
「どうした？」
「あの、ちょっと気付いたことがあるというか……役に立つかわからないんですが……」
「いいぞ。言ってみろ」
自分の考えがあっているのかはわからないし、もしかしたら神童先輩はとっくに気付いているかもしれない。だが引き止めてしまったからには後戻りができず、私はおそるおそる言葉を紡いだ。
「白竜くん、その……なんて言うか、剣城くんにすごく、こだわってる気がするんです」
「剣城に？」
「はい。剣城くんがボールを持った時、白竜くんは特に警戒したり、積極的にボールを奪いにきているように思うんです」
「そうだな……剣城」
神童先輩は少し考えてから剣城くんに向かって手招きした。先輩は駆け寄ってきた剣城くんに、私が話したことを簡潔に説明した。
「Aの言う通り、俺も剣城は特に白竜に警戒されていると思う。あまり長くボールを持たない方がいい。パスを受け取ったらすぐに誰かにボールを渡すか、シュートを打つかだな」
難しいだろうが、と神童先輩は最後に付け足した。剣城くんは少し険しい顔をしていたが、最後は「わかりました」と頷いて自分のポジションに戻った。
「Aも、さっきのシュートで警戒されているだろうから気をつけろ」
「はい」
そう返して、私も剣城くんの隣に戻った。
観客席は試合再開を今か今かと待ち望んでいる。シュート数が多い試合は息をつく暇がなくて、観客席も選手たちも忙しい。
「白竜くんにとって、剣城くんは特別なんだと思う」
剣城くんが驚いた猫のような顔でこちらを見たので、私は笑いをこらえなくてはならなかった。
「剣城くんにとっても、そう？」
＿＿白竜くんにだけは、負けたくないって思う？
剣城くんは複雑そうな顔をして、それから観念したように頷いた。
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春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました！ (2021年3月6日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！ 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです！ (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2021年2月20日 21時
