1-18.集結 ページ18
「ほんっとうにごめん！」
翌日、松風くんと葵ちゃんが登校した私を見つけるや否やすぐさま駆け寄ってきた。松風くんは私の足先から頭のてっぺんまでくまなく見ながら「まだ痛い？」と泣きそうな顔で聞いてくる。ボールが当たったのは顔だけだ。
「大丈夫だよ。私もよく考えずに飛び出しちゃったし」
「昨日のAちゃん、すごかったよ！ みんなびっくりしてた」
「う、うーん……かっこ悪いとこ見せちゃったな」
己の失態を恥じていると、葵ちゃんは真剣な顔で「そんなことない！ かっこよかったよ！」と言葉をかけてくれた。
申し訳なさそうにしている松風くんを宥めていると、ふっと視界が陰る。振り返ると、剣城くんが立っていた。
「A、怪我は？」
「なんともないよ」
「そうか」
剣城くんはかすかに安心したような素振りを見せたあと、項垂れる松風くんを見て励ますように肩をぽんぽん叩いた。
「今日の放課後は部員の顔合わせだろ。しっかりしろ」
.
放課後。晴れてサッカー部員となった生徒たちはミーティングルームに集まっていた。新入部員は男子選手が９人、女子選手が私を含め２人、マネージャーとして入部した生徒が男女合わせて４人だった。
全員揃ったことを確認して、なんとか持ち直した松風くんが話し始める。
「みんな、まずは合格おめでとう！ 困ったことがあれば、俺たちをどんどん頼ってね。これからよろしく！」
それからは新入部員、二軍、一軍、マネージャーの順で自己紹介を行った。一度では覚えられないだろうと踏んだ私はメモ帳に名前と学年、ポジションを書き込んでいく。
「二年のAAです。サッカーは初心者ですが、精一杯頑張ります。よろしくお願いします！」
拍手と共に少しざわつく。不思議に思っていると、近くに座っていた女子生徒が「昨日のヘディング、すごかったです」と話しかけてくれた。ざわついている原因はそれか。気を遣って“ヘディング”と表現してくれたことに若干の恥ずかしさを感じながら、「ありがとう」と返しておいた。
「今日からお前たちが雷門サッカー部だ。楽しいこともつらいことも共にする仲間だ。さあ、一緒にサッカーやろうぜ！」
最後は円堂監督が締め、顔合わせはお開きになった。
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春間(プロフ) - 名無し40482号さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！ 励みになります。 (2020年10月7日 13時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し40482号(プロフ) - とても綺麗で読みやすい小説で、感動しました…（ ; ; ）更新楽しみにしてます。 (2020年10月6日 14時) (レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - Ruiさん» ありがとうございます。申し訳ないのですが、占ツクの使い方がよくわかっていないので今回は遠慮させていただきます。コメントありがとうございました！ (2020年8月9日 11時) (レス) id: e235827dac (このIDを非表示/違反報告)
Rui - 初めましてタイトル凄くいい感じ！もしよかったら好きな作品出来るイベントもし参加出来たら嬉しいです勿論CSS付きも可能です。「 あなたの小説読ませて下さい。」です。 (2020年8月9日 0時) (レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - 充滞さん» ありがとう、頑張ります！ (2020年8月7日 19時) (レス) id: e235827dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2020年8月5日 11時
