61. 起こり得ない敗北 ページ24
「負けた…のか…？」
両膝が緑の海に落ちる。ガクン、と次々に四肢が重力に逆らえなくなった。実感が湧かない。負けたのか。雷門イレブンは負けたのか。何故だ。一体どんな理由で。どうして。
こちらが勝利する要因は多々あった筈だ。正直、勝つのは確定していたといっても過言ではない。その勝利要因は5つ。
・フェイの言うように、一度勝利したため有利であるから。
・京介の力を得たミキシマックス状態の優一さんがいるから。
・化身アームドを使える優一さんがいるから。
・雷門イレブンには、化身能力者が私を含めて5人いたから。
・神童さんと信助が加入したことにより、デュプリに用いる力を削減でき、フェイの体力消耗が最小限に抑えられたから。
だから、負ける筈がなかった。勝利確定試合だった。
しかし、現実には負けた。敗北したのだ。
この敗北は、一度改変された「剣城兄弟の事故」の歴史が「不可逆的に」定着したことを示していた。もう戻せない。
「な...んてことだ」
一同は絶句していた。アルファらプロトコル・オメガ1.0が去った後も、私たちはその場から動けずにいた。優一さんに至っては姿を消していた。数十分前までは側にいた筈だが、気付けばいなくなっていた。彼が棒立ちしながら顔を覆い、俯いていた姿が記憶に残っている。
「…みんな！元気だそうよ！まだ全てが終わった訳じゃないんだしさ！」
「そうだな。今はこれから何をするかを考えるべきだ」
励ます信助。気持ちの切り替えを促す神童さん。
彼らの言い分はごもっともだった。ごもっともだったからこそ、怒りが湧いた。
「二人は何も知らないくせに…」
「え？」
「優一さんが、どんな気持ちでっ…！っ、ぐ…っ」
「A、やめよう」
天馬がすぐさま割り込んできて、そして私を宥めた。
「気持ちはわかるよ」
「......」
「俺だって、辛いよ」
青色の目が潤んでいた。私はそれを見て、なんともいえない気持ちになった。
「......」
まるで通夜のような空気感になった。
ああ。サッカーは死んだのだ。
私の所為だろうか。私がいなければ、この試合は勝てたのだろうか。
事実、原作では勝てた。だが、この世界では負けた。
原作とこの世界の違いは何か。明らかに「私の存在」、それだけだ。それだけが違う。
私がトリップしてこなければ、円滑に事は進んでいた。
そんな中、グラウンドの上から光が一筋差し込んだ。
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ルナストーン(プロフ) - …っ！？（何が言いたいか:最初から照れさせる気だったんですかぁっ！？） (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 読者の方を照れさせるつもりで書いたので良かったですー！ハハ (2020年10月12日 0時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ぁ…因みになんですが…消しても大丈夫です。僕は…。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» （［甘い戯れ］の後のやつの最後に向けてなのです）こちらも見ていて何故だか恥ずかしくなります。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 夜月さん» 見てみたいですね〜。いえいえ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年10月10日 21時
