トリップ少女３【オリオンの刻印】 (ページ15)

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真っ暗で一面星が散る夜空。
冷たい空気。
肌に染み込む風。

試合後だというのに、私たちFWはグラウンドにいた。その周りをイナズマジャパンが囲む。

地面は若干湿っていて、足を少し動かすとじゃり…と鳴った。

「っお！？なんだなんだ？
皆風呂入んねーのか？」

「今からFW内で誰が一番強いか勝負するんですって」

どこかに行っていたらしくまだ状況が掴みきれていないキャプテンに先ほど豪炎寺さんを病院に送りにいって帰ってきた一星くんが答える。

戦うのは…私と剛陣先輩、ヒロト、灰崎の4人だ。

.

「向こうのゴールに２点先取した奴が勝ちだ。

…_勝利して得るモンがただ名誉だけってのも面白くねぇ…なんかルール決めるか」

「おっ！いいなそれ」

ヒロトがサッカーボールを見つめながら数秒考えた後、何か思いついたように顔を上げてからにやりと笑った。完全に悪巧みをしている顔だ。

「………そうだなァ…勝った奴は好きな奴に命令できる、ってのはどうだ」

「この4人の中でか？」

「当然だろ」

フン、やってもいいぜと灰崎が口を歪めて笑う。
剛陣先輩も既にやる気満々だ。
仕方なく私も同意した。

「点は自分で数えて覚えておけ。
申告制だ。…捏造しねえように相手の点も数えておくこったな」

「それなら俺が審判しますよ」

ハッとして気づくと背後に一星くんが立っていた。
…気づかなかった。

にこにこと微笑んでこちらの返事を待っている。

「……ああ、じゃあ任せてもいい？一星くん」

「はい！A先輩」

そうして一星くんが審判や点数えをしてくれることになり、スタートの合図で接戦が始まった。