Episode 12 ページ12
「ただいま」
うっつんのそんな声が、廊下に響いた。
彼が帰ってきたのは私たちが帰ってから数時間だった後だった。
やっと帰ってきたと思いながら、駆け足でそちらへ向かう。
おかえりと言おうとしたのだが、
目の前にいた彼は私が見たことの無い顔をしていた。
その目は酷く冷たくて虚空を見つめていた。
そんな彼の顔に私は出かけていた言葉が喉を通らなかった。
口をキュッと結び、私が考えていることを
悟られないために笑顔でおかえりといった。
私がいた事に今気づいたのか、うっつんはこちらを見て先の顔とは違い
ふにゃ、と隠すように優しく笑っていた。
「ﾝﾌﾌ、所でマンちゃんは？」
『体洗いたいとかって、お風呂の入ってるよ』
「ん、僕も入ろっかな」
そんなことを言いながら私の横をとおりすぎて行く。
いつもの彼の匂いとは違い、濃いめの香水の匂いがした。
お？と思いながらうっつんの残り香を
くんかくんか嗅いでいるとあるひとつの考えに行き着いた。
なるほど……女か。なるほど私という女がありnｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ。
私が馬鹿なことを考えていると、
斜め前でまだリビングに入っていなかったうっつんが
脱ぎたてのコートを右手に持ち、肩に担ぎながら訝しげな目でこちらを見ていた。
は？何そのポーズ、好きすぎるんですけど。
あ、その脱ぎたてのコートちょうだい。嗅ぐから。
……違うそうじゃない。
なんもないよというふうにうっつんに笑いかける。
「ノアって……」
「いや、なんでもない」
何が言いたいのだろうか。よく分からないなー(棒)
「というか」
『ん？』
「何かあったのか聞かないんやな」
ぶっちゃけ気になるが、言わないのならそれでいい。
ただ、この生活に慣れたら悩み事やら何やら話して欲しいとは思う。
マンちゃんの方がいいと思うが
双子だからこそ暗黙の了解というのがあるのか……。
『あぁ、聞いた方が良かった感じ？』
顎に手を当ててそう言うと
少しびっくりしたような表情を浮かべていた。
「ｯ……ホンマ、ずるいで、そうゆうとこ。」
『あんたらに似たんだよ』
私が含み笑いでそういうと、鼻で笑って
せやな、と呆れたように言いのけた。
「ほな、俺は自室に戻ってゆっくりしときますわ。
マンちゃんが風呂から上がったら呼んでなー」
『あいよー』
私は二人の後なのだな。
……ん？二人の残り湯ですって？ｽｩ、最高かよ。
あ、俺って言った……録音したかった…
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くれいのあ(プロフ) - BANDさん» ありがとうございます！<(_ _)>〈 ｺﾞﾝ!〕 (2021年5月30日 7時) (
レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - あ、はい。神作ですねありがとうございます(((スライディング土下座))) (2021年5月30日 1時) (レス) id: cb43568772 (このIDを非表示/違反報告)
月琴(プロフ) - 漣＠えなみずつよいさん» わぁありがとうございますゥ！お母さんだよこんにちは(？) (2021年2月26日 22時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
漣＠えなみずつよい(プロフ) - 尊すぎてｵﾝｷﾞｬｱです()赤ちゃんに戻りましたこんにちは (2021年2月22日 17時) (レス) id: 4335f2c288 (このIDを非表示/違反報告)
月琴(プロフ) - 天さん» 出来るだけ早めに頑張っていきますはい。受験シーズン終わったら今より更新していく予定ですのでｯ(多分.......) (2021年1月17日 20時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月琴 | 作成日時：2020年11月23日 9時
