通訳ヌナと…【Jungkook：4】

４月 -Jungkook- ページ32

ヌナには毎日、
朝、昼、夜。
ヌナの生活時間に合わせ、
少なくとも1日3回はカトクを送った。

おはようございます、とか。
今から事務所に行きます、とか。
何食べましたか？、とか。
おやすみなさい、とか。

内容としては他愛ないことばかりだけど、
僕にとってはヌナに“おはようございます”って、
例え文字を通してであったとしても言えること。

それがどれだけ幸せなことか。

ヌナからはすぐに返信が来る時もあれば、
そうでない時もあって、
だから僕はスマホが鳴ると飛びつくようになってしまった。

そしてヌナからだと喜んで、
ヌナじゃないと落胆して。

「お前の顔見てると、誰に送ってんのか、誰から来たのか、見てるだけでわかる」

ヒョン達からはよくそう言われた。


たまに電話もした。

普段、電話はもちろん、カトクもだけど、
用件のみ。

必要な用件を伝えたり聞くと、
それ以上、
なんでもないことを長々と電話したりはしなかった。

けど。

カトクでもそうなんだけど、
昔同様、
ヌナだとどうしてこんなにも違うんだろう？

自分の中で、
ヌナに対して聞きたいことや言いたいことが
いっぱいあって、
ストップを自分でかけないと、
永遠とカトクを送りそうだし、
電話も何時間と話してしまいそうで…




「で？」

「で？」

「今どうなってんの？」

「どうもなってません。変わらずです」

「は？カトクとか電話とか毎日してんだろ？」

「してますよ」

「けど進展なし？」

「はい」

「なんの話してんの？」

「昨日は…ほら、ジミニヒョンが宿舎の椅子で1人転けたじゃないですか。あの話とか…あとは、ヌナが留学してたじゃないですか。最近はそのカナダの時の話とか」

「いつもそんな話してんの？」

「はい」

「はいって…そんな笑顔で言われてもさ」

「ダメですか？すごく楽しいんです。面白いこと言ってヌナが笑ってくれたり、僕が見れなかったヌナを知れたり」

「頭いてぇ…」

眉間にシワを寄せながら、
大きく溜め息を吐いたユンギヒョン。

「まぁさ…まだ１ヶ月だけどさ…そうなんだけど、なんて言うか」

「なんて言うか？」

「まぁいいや。うん、わかった」


4月上旬。
アメリカに向かう飛行機の中で、
ユンギヒョンにヌナのことを聞かれた。

ヒョンは何が聞きたかったのか。

納得のいってないような空気の中
話は終わり、
そのまままた日は過ぎた。

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