通訳ヌナと…【Jungkook：4】

想い -You- ページ38

「答え…出てんじゃん」

答え…

言葉に出して言わずとも、
ユンギさんに知られてしまった。


最初。
３月に言われた時は、
本当に信じれなかった。

本当にありえなくて、
絶対に勘違いしてると思ってた。

けど。

連絡を取り合うようになり、
カトクとか電話とか…

文字だけだからこそ、
声だけだからこそ、
次第に…
昔の感覚を思い出し、
不思議な気持ちになった。

５年前じゃないのに、
５年前のような感覚。


違う…

これは違う…

勘違い…

ジョングクくんがしてる勘違いを、
今私もしてるんだ。

そう思った。

連絡が楽しいと思うようになったこと。
ぎこちなさが少しずつなくなってきたこと。

自分の気持ちの変化。

勘違いに気づいて欲しいから始めたことなのに、
私までもが勘違いをしてしまい…

一生懸命、一生懸命自分を抑えた。

抑えても、
ジョングクくんの顔を見たらダメだった。

笑顔を見るとドキドキして、
声が聞こえてもドキドキして、
けどすぐに…

住む世界の違いを端々で感じ、
好きになってはいけない…
本気で好きなんて、思ってはいけない存在…

ジョングクくんは、
やっぱり勘違いしてるんだ…

あんな人が、
こんな私を好きなわけがない…って。

毎日毎日、
そう心の中で葛藤して過ごしてきた。

楽しい話。
懐かしい思い出話。

３月のあの話は一切出てこなくて、
本当にあったよね？って、
何度も考えた。

けど楽しい、懐かしい話ばかりだからこそ、
いつその話をされるのか？
いつ勘違いだったと言われるのか？

終わりはいつか？
今夜かもしれない。
明日かもしれない。
この電話が最後かもしれない。

そう思うたび、
感じる胸の痛みさえ勘違いなのだと…

必死に思い込んできた。

そうやって必死に自分の中だけで抑えていたもの。

それを今日、
初めて人と、ユンギさんと話して…

隠そうと頑張ったけど、
気持ちがばれ、知られ…


「５年前、留学って意味じゃなく、お前があいつの元を去ったのは正解だと思う。去らずにいくら話しても、あの時のあいつは絶対に理解できなかったはずだから。けど今は…今はダメだ。今は違う。もしまたお前があいつの元を去ろうもんなら、確実にあいつは壊れる。けどそうは言っても、もしお前が他の男を想ってたり、どうしてもあいつを好きになれねぇのなら仕方ねぇ。けど。違うだろ？俺の勘違いじゃないのなら、頼むからその気持ち…あれこれ考えず…あいつに言ってやってくれよ。頼むから…」

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