連絡 -You- ページ46
「これ…俺のアドレス」
ポケットから取り出した名刺とペン。
裏に書かれたアドレス。
開いた窓からそれを渡され、
躊躇しながらも手を伸ばした時、
テヒョンさんの手が伸びてきて、
ギュッと私の手に名刺を握らせた。
「チョコレートケーキ、レアチーズ、ティラミス?あと何だっけ?タルトみたいなやつとか、あ!ショートケーキ!さっき食べたケーキの中で、何が一番好き?」
「え?」
今ここで?
思いもよらない質問に驚いていると、
「俺が嫌いじゃなかったら。嫌な奴だなとか、苦手だなとかそんなんじゃなかったら。Aちゃんの好きなもの教えてよ。友達として、今度一緒に食べに行こう?セジンも一緒に。だから…もし嫌じゃなかったら、何も考えずに連絡して欲しい。連絡したからどうこうとか、行ったからどうこうとか、そんなんじゃないから。ね?じゃあ…おやすみ。気をつけて」
そう言われ、
最後にキュッと握られた手。
動き出したタクシー。
寝ているセジン。
脳裏に浮かぶ、テヒョンさんの顔。
さっきの言葉。
手の中にある名刺。
裏に書かれたアドレス。
まだ残る手の感触。
気持ちや視界が揺れる感覚。
胸の苦しさは増す一方。
何度 唾を飲み込んでも、
胸の苦しさやつかえは取れない。
どうしよう…
どうしたらいい…?
「で?もしかして…まだしてないの!?」
数日後、セジンにテヒョンさんとはその後どうなったのかと聞かれ、アドレスを渡されたことを話した。
「だって…」
「え…もしかして…本当に嫌だなって思ってるとか?」
「違うよ!嫌だなんて。すごく良い人だと思うし…」
「だったら…」
「だからなの」
「でもさ、連絡ないと、本当に自分のこと嫌だったのかな?って思っちゃうと思うよ?」
「でも…」
「何も考えずにって言われたんでしょ?連絡したから気があるとか、そんなんじゃないからって言われたんでしょ?」
「そうだけど…」
その後もグイグイとセジンに押され、
たしかに何も連絡しないで変に誤解されても申し訳ないし…
連絡することにした。
そんなもんじゃない?
最初はその気なんかなくて、お互いに友達から始まって、でもそこから恋に発展するかどうかは誰もわからない。
Aは意識しすぎ。
彼氏がいるならともかく、
いないんだから、もっと気軽に考えれば良いのに。
セジンにそう言われた。
本当にそうだとは思う。
思うんだけど…
思うんだけど…ね…
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がほ(プロフ) - anzさん» コメ頂いたのに、お礼が遅くなりすみません!最近更新がなかなかできなくて、本当に申し訳ないです。土日で頑張って更新しますので、良かったらまた読んで下さいね^ ^ (2018年11月3日 12時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
anz - 初めまして(´ ˘ `)凄くドキドキする作品をありがとうございます!毎日楽しみに更新待ってます! (2018年10月25日 7時) (レス) id: c7fabd4acc (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - ユリアさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!なかなか更新が出来ずすみません!楽しみにしている…と言って頂けて嬉しいです^ ^ (2018年10月20日 9時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - いつも楽しみにしてます!これから先どうなるのかドキドキです! (2018年10月9日 18時) (レス) id: 3eb3ef9154 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - なつこさん» こんにちは^ ^コメありがとうございます!ドキドキしながら読んで下さって嬉しいです^ ^3連休中に続きを更新できるよう頑張りますね^ ^ (2018年10月5日 11時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2018年8月23日 15時