【過去】別れ -Jiyong- ページ12
どんなに変装をしてもわかるよ。
見た瞬間胸が高鳴って、嬉しさと…
今日は苦しさでたまらなくなるのはAだけだから。
Aのアパート。
その前にある公園。
その横にある小道。
誰も通らない薄暗いその場所に、もう1時間以上いる。
Aが今夜ここを通るかどうか、
歩きなのかタクシーなのか、
1人なのか誰かと一緒か。
何もわからないのに…ただ願うように待っていた。
そしたら遠くに見えた姿。
いつもしてないマスクに伊達メガネ。
1人周囲を警戒し歩く姿。
グッと我慢し小道の横を通った時、手を出し、
その腕を引っ張った。
もちろんAは驚くわけで。
「俺だよ！俺！」
月明かりの下。
マスクをずらし顔を見せると安心し、
ホッと胸を撫で下ろしたA。
「びっくりした……」
「ごめん。部屋に行こうとしたら…その…」
何も言わないA。
俺の顔さえ見ようとしてくれない。
「何であんなこと…」
口にして、再度思い出したマネージャーから見せられたパソコンの画面。
その下にあった文章。
「手…離して。もう…こんなことしないで。」
俺から離れようとするAの腕に力を入れ、
抱きしめようとした時、思いっきり胸を押され突き放された。
下を向いていてさっきまでわからなかったけど、
Aの目は潤んでいて大粒の涙が溢れた。
「きっと…必ず…ジヨンくんの話を聞いてくれる人は現れる。その傷を…癒してくれる人も現れる。だから…」
「だからそれはAしかいないんだって！」
「じゃあ…何で？だから言ったでしょ！？来すぎだって…バレたら…って。そう思ってくれてたなら、どうして…っ！」
両手で口を押さえて泣くA。
返す言葉が見つからない。
小さく震える身体を、抱きしめてあげることもできない。
「でもね…そばにいたかった。会いに来てくれて嬉しかった。好きだった…だから私…。これからはしっかりと…みんなジヨンのこと、いつもすごく心配してたよ。支えてくれる人がそばにいるんだから…ね？」
「じゃあAは？Aが凹んだ時は？俺のためにあんな嘘ついて…」
「私は大丈夫。だから…これからもずっと、ずっとずっと私の大好きな笑顔、たくさんテレビで観せてね。負けないで。夢を叶えてね。」
「A！」
「バイバイ、ジヨン。ありがとう…本当に大好き…だった。」
笑顔で背を向けて去って行ったA。
受け止めきれなくて引き止めることさえできなかった俺。
【過去】後悔 -Jiyong-→←【過去】懇願 -Jiyong-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 550人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がほ(プロフ) - ritaさん» ただいまですー(＾∀＾)またボチボチ書き始めますので、よろしくお願いしまーす！！ (2017年4月19日 21時) (
レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
rita(プロフ) - おかえりｯ☆(*´∀`*)ノ (2017年4月17日 23時) (レス) id: 126bc83529 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - まあさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当にすみませんでした>_<またボチボチ書き出していこうと思ってますので、続きを読んでもらえると嬉しいです^ ^コメ本当にありがとうございました！ (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - KUMIさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当に長々とすみませんでした>_<またボチボチ書き出していこうと思ってますので、もしよかったら、また読んでもらえると嬉しいです^ ^コメ本当にありがとうございました。 (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - まいこさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当にすみませんでした>_<また書き出していこうと思ってますので、もしよかったら、また読んで下さいね^ ^コメ本当にありがとうございました。 (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がほ
| 作成日時：2017年1月23日 1時
