【過去】懇願 -Jiyong- ページ11
「ね…ジヨン。」
いつの間にか自然と変わった呼び方。
呼び捨てで呼ばれることが嬉しくて、笑顔で振り向いたのに…
Aの口から出た言葉に愕然とした。
「最近…うちに来すぎじゃない？バレたら…大変なことになるよ？」
最初の頃は10日とか、2週間に1回だった。
それがだんだん縮まって、今は1週間に1回…
とにかく行ける日は行くようになってしまった。
行く回数と精神的なストレス。
同じように右肩上がりで。
後もう一つ。
俺らの人気もジワジワと来てたものの、
バラエティーにも出させてもらえるようになり、
ファンの数も増えたように思う。
それを思って心配しての言葉なんだってわかってんだけど…
『拒否された』って過剰に感じてしまい、
胸にグサリとナイフが刺さったように痛くて…
1番言われたくない人から、
1番言われたくない言葉を言われたから。
「…ジヨン？」
下を向き、何も言わない俺の横に座って、
顔を覗き込むように身体を動かして…
「意地悪で言ってるんじゃないんだよ？だけど、もう少し回数を」
「嫌だ！！！！！」
Aの言葉を遮って、睨むように見つめた。
「じゃあ…誰が俺の話聞いてくれんの！？誰が俺を癒してくれんの！？Aじゃなきゃ、俺……！」
掴んでいた二の腕。
話しながら力が入り、Aの顔も歪んで。
「ごめん…」
謝って二の腕から手を離し、
背中に回し、優しく引き寄せた。
抵抗もせず、大人しく腕の中にいてくれるA。
何度もここへ来たけど、
抱きしめたのは最初のあの日以来。
あの感覚が蘇って、たまらなく愛おしくなって。
俺にとって、本当に大切な存在だから。
「気をつけるから…そんなこと…言うなよ。Aにそんなこと言われたら…俺、どうしたらいいかわかんねーよ…」
忙しい日々。
唯一の癒される時間。
抱きしめながら、
でも本当に抱きしめてもらってるのは俺の方。
ずっとここにいさせて。
ずっとこのままでいさせて。
その為なら、人の何十倍も努力するし苦しんだっていいから。
本当にそう願ったのに。
明るいカメラのフラッシュ。
浴びるほど、夢に近づいていく気がしてた。
だけどそれが、俺の唯一の存在を奪った。
【過去】別れ -Jiyong-→←【過去】依存 -Jiyong-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 549人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がほ(プロフ) - ritaさん» ただいまですー(＾∀＾)またボチボチ書き始めますので、よろしくお願いしまーす！！ (2017年4月19日 21時) (
レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
rita(プロフ) - おかえりｯ☆(*´∀`*)ノ (2017年4月17日 23時) (レス) id: 126bc83529 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - まあさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当にすみませんでした>_<またボチボチ書き出していこうと思ってますので、続きを読んでもらえると嬉しいです^ ^コメ本当にありがとうございました！ (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - KUMIさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当に長々とすみませんでした>_<またボチボチ書き出していこうと思ってますので、もしよかったら、また読んでもらえると嬉しいです^ ^コメ本当にありがとうございました。 (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - まいこさん» こんばんは☆更新も滞り、いただいたコメの返信もしないまま、本当にすみませんでした>_<また書き出していこうと思ってますので、もしよかったら、また読んで下さいね^ ^コメ本当にありがとうございました。 (2017年4月12日 23時) (レス) id: b9b3e3aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：がほ
| 作成日時：2017年1月23日 1時
