弐拾壱 ページ23
煉獄さんの瞳を見つめ 先に私が笑うと、口角をやっと上げてくれた。
眉は下がったままだけれど、表情が変わった。
「やっぱり煉獄さんは笑ったほうが 素敵ですよ。
ご飯冷めちゃいます、食べましょう?」
今度は逆に私が手を取り、彼をキッチンに連れ戻した。
…………………………………………………
ガチャンッ!
あー…
「す、すまない!」
「…やっぱり私がやりますよ?」
私の手の怪我を考慮して、後片付けを代わると煉獄さんが言ってきたのが 数十分前。
何か心配だったので断ったのだが、この人も引かずに結局頼むことに。
だが、洗い始めてこれで二度目。
煉獄さん、
「いや!君は手のこともあるし、俺にやらせてくれ!」
「いや、でも…」
「大丈夫だ!」
床に落とした破片を瞬時に拾いまとめ、残りを片付け始める煉獄さん。
大丈夫かなぁ…
________もちろん、彼はその後も数回食器を落としたのだった。
****
「本当にすまない…役に立つどころか、余計なことをしてしまった。」
先ほどのことを謝ってきた彼は、また浮かない顔をしている。
「大丈夫ですよ。また今度お願いするので、練習しておいてくださいね?」
「…ああ!」
よかった、俯いた顔が上がった。
元気よく返事をしてくれた彼には、先ほどの悲しい表情は残ってはいなさそうだった。
うーん、でもまだ気にしてるよね?
私はそのままキッチンへ行き、ホットミルクを作った。
その様子を、後ろからついてきた 煉獄さんが覗き込む。
「むっ、ほっとみるくか?」
「そうですよ、煉獄さんを癒す用です。」
…ん?
何故か急に後ろが静かになる。
振り返れば、固まっている煉獄さん。
「煉獄さん?どうしましたか?」
「あぁ!いや、なんでもない!
よも…っ、よもや!俺のためとはかたじけない!」
あ、一回噛んだなこの人。
でもそんな煉獄さんもかわいい!
「ふふ、出来たのでまた ベランダで飲みませんか?」
「もちろんだ!」
「あっ…」
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☆未来音★(プロフ) - 憐さん» 感想ありがとうございます。同じ煉獄さん好きとして、そのようなコメント嬉しいです*なかなか更新が難しいですが、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - けいさん» コメントありがとうございます。一言ですが、とても伝わってきます。もっとその気持ちが強くなるよう、がんばって更新していきますね。今後もよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - アリスさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。ゆっくりですががんばらせていただくので、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
憐 - とても素晴らしい夢小説を、ありがとうございます!煉獄さんは大好きなので、とても嬉しいです!どうかご無理をなさらず、更新を頑張ってください。応援しております! (2020年6月21日 18時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
けい - うまく言葉に出来ないので一言。 好きです (2020年6月11日 12時) (レス) id: c43b0ed0fe (このIDを非表示/違反報告)
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