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凛月side


『兄者がさ、そのアイドルの代わりになってやるって
本物のアイドルを見せてやるって昔言ったの』



俺もアイドルがみんなあの人みたいな人じゃない

って、教えたかった




「朔間先輩が!?」



『そう。Aがアイドルをどんどん知っていった時、

兄者は海外に行った。Aには“アイドルの勉強をしてくる”と言い残してね』



間違えてはいないけど、それがAを悲しませていた

ことを知らないんだね兄者は





「留学したときか?」




『そう。Aは、また憧れを、好きになれたアイドルを失った。


あの時も既に、兄者はAの1番のアイドルになったのに離れていった。


それで、Aはもう悲しみたくないんだと思う』






1人になる悲しみも俺はわかるし


俺も好きなになれたもの、大好きなことから離れたくない




だから、俺は自分にも、あの時セッちゃんにも

“Aの隣は俺でも兄者でもなくまーくん”と言った。








「まあ、つまりトラウマを克服してもらおうって事か?

それに、俺がAにとってのアイドルになれって意味か。」




『そういうこと。

でもね、Aは理由無しに好きになることを恐れてるから
その理由も作ってあげなきゃだよ?

あのアイドルも兄者も作ってあげられなかった理由。

好きな意味を___』





俺がそのトラウマに一番最初に気づいた

でも、どんなことをしたってAのトラウマは消えない


“幼なじみのアイドル”でしか居られなかった







「俺がAにとってのアイドル....
具体的にどんな意味になればいいんだ?


幼なじみでもなく、友達でもなく__」






『さすがまーくんやる気だね。
大丈夫、まーくんならなれるよ。


いや、まーくんしかなれないかな』






_________________




「その話、もっと聞かせてくれないか?」




俺とまーくんのしんみりした空気が広がるこの部屋に

入ってきたのは





『月ぴ〜?』




「それに瀬名先輩!?」




さっき校内を写真撮って回るって言ってた2人だった





「なるほどねぇ。この前からなんで朔間までって

気になってたんだけどそういうこと」





嗚呼、セッちゃんには詳しく

話していなかったからね






「あれ、何してるんですか?月永先輩。」





「嗚呼、これか?

話を聞いて、曲を作ってるんだ!」




曲?

確かにこの話を元にした曲は格好良くクールな

曲なりそう。



だけど何のために?

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作者名:カレー味のもやし | 作成日時:2022年3月10日 0時

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