近すぎて【衣更真緒】 (ページ18)

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凛月side

まーくんが自分の恋に気づいたみたい

俺はもちろん応援してるけど、2人が付き合ったら

今まで3人だったけど、2人でいることが増えて

俺は、また1人になるんじゃないかって＿＿＿

だから、応援するのを躊躇した

『俺は、まーくんとAが付き合っても傍にいてくれるかな？って不安に思ったの』

｢つ、つきあっ…

付き合うかどうかは分からねぇけど、どんな結果になっても俺は離れねぇぞ？

Aも同じだ。

そうだろ？“りっちゃん”｣

そうだった。俺は小さい頃にまーくんの血が欲しくて歯を立てた

それで、まーくんは尖ったものが怖くなったけど

俺を嫌わなかった

せっかく仲良く慣れたのに離れていってしまうと当時は心配したけど、杞憂だった。

Aの隣はまーくん、俺じゃない。

前にセッちゃんに言ったこの言葉は

俺をそう言い聞かせるため。

どんな結果でも、俺が離れないで欲しいなんて言えないんだって
思うためだった

『そうだね〜

やっぱまーくんには敵わないや』

｢そうか？俺も凛月には敵わないけどな！｣

｢んむぅ…｣

俺の背中で眠るAが唸った

『あれ、起きた？』

｢ん、凛月！？

あれ、私まーくんと走って、凛月が来てってあれ？

って、下ろして！歩ける！｣

ふふ、やっぱりAも適わないや

自分もだよって俺に言うようなタイミングで起きるんだよ

『はーい、でもAは公園で寝ちゃったんだよ。

だから俺がここまで運んだの』

｢え、そうなのか…ありがとね！凛月！｣

『そして、まーくんは話したらどう？驚いたのは分かるけどさぁ』

｢ん？真緒は何に驚いてるの？｣

『Aにだよ』

Aはずっと頭にハテナを浮かべている

ふふ、かわいいなぁ

でもこれは、妹に対するような感情。

｢な、なぁ。さっきの俺たちの話聞いてたか？｣

まーくんは必死だなぁ

まーくんも可愛いよ

｢寝てたから聞いてないよ？｣

『良かったね、まーくん』

｢あ、嗚呼。それと…

さっき、俺の事＿＿＿｣

｢ん？｣

『無意識、か

Aさ、さっきまーくんのことを

いつもは真緒なのにまーくんって呼んだでしょ？』

まーくんも思いに気づいて素直に聞けないか

ここは俺が助け舟を出さなきゃねぇ

｢え、ごめん… 嫌だったでしょ？｣

｢いや、大丈夫だ。てか逆に嬉しかったぜ？｣

まーくんも思いっ切ったね