シャッターチャンス(赤×黄) (ページ7)

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黄side

スマホを覗いてみると''しげ''という2文字が飛び込んでくる。俺は2度目のため息を出したくなるのを抑えて、電話に出た。

「あ、もしもしぃ？」
「どしたん、急に」

そう聞くと電話の向こうのしげは嬉しそうに声を出す。

「いやぁ、淳太が俺の撮った写真あげててくれたからなぁ」
「なに？」
「電話したなってん」

あまりにもド直球で内容のない電話。俺は構えるのをやめてソファに座り直した。

「それだけかい」
「おん。我ながら可愛く撮れたなあ思て」
「…可愛く？」

不可解な言葉が聞こえたので聞き返すとしげの慌てるような声が聞こえてくる。

「いや、えっと、」
「…もしかしてあん時俺が可愛くて撮ったん？」

ありえないと思いながらも少し弄ってやりたくてそう聞くと思わぬ反応が返ってきた。

「…そうやでって言ったらどうするん？」

今度は俺の方が慌ててしまった。

「え、ほんまなん？」
「…おん。可愛かったから」

シャイ岡はどこに行ったのか。…いや、俺だから言えるのかと妙に納得して少し落ち込んでしまう。

「やからこれからも可愛ええ時撮るな」

しかし突然耳に飛び込んできた言葉にそんな気の沈みは飛んでいく。

「は、なんで？」

そう聞いた時にはもう通話は切られていた。

「…ここでシャイ岡を出すなや」

そんな言葉を言ってもスマホの画面に映るのは通話終了の文字だけだ。