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紫side
流星と一緒に後ろで歩いていたと思えば流星だけが合流し、望は立ち止まって俯いていた。
「望？どうしたん？」
俺がそう尋ねれば、迷子のような顔をした望と目が合う。
「…濱ちゃん。ちょっと来て」
そう言われて腕を引かれる。
「え、な、なに？」
突然の事で戸惑っている俺に構わずそのまま早足で歩かれる。
「こっち戻っとるで？」
そう言っても止まらないので俺はとうとう諦める。ようやく止まったと思ったらその場所は、楽屋だった。
「え、望？」
俺について来てもらいながら俺の存在を気にしてる様子は一切ない。躊躇うことも無く楽屋の扉を開けた。
「あ…早かったやん」
入った時に聞こえてきたのはしげのそんな言葉。
「あれ？他のみんなは？」
「置いてきた」
淳太の言葉に今まで黙っていた望が答える。
「なんで？」
素直な疑問をぶつけられても怯むことなく淡々とした顔で。
「まだ終わらせるわけにはいかなかってん」
その言葉で望がここに来た理由が分かった。淳太としげはいまいち分かっていないようだったが。俺には分かる。
「そう…なん？」
「おん」
望は俺を引っ張ってソファに座るので俺も自然と望の隣に腰掛けた。
「…おれ、ここ座る！」
するとしげが俺と望の間に入ってくる。
「もぉー、狭いわぁ」
「そんなん言うんやったら濱田があっち行け！」
「横暴すぎひん？」
それでも俺はしげの言うことに従って淳太の隣に座る。
「急に騒がしなったな」
「…静かやったん？」
未だにギャーギャー騒いでる2人を横目にそう話すと淳太は躊躇いがちに頷いた。
あーあ。そんな事しとると奪ってまうで。
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作者名：年長さん | 作成日時：2023年3月25日 1時
